偽りの検診は忘れてしまいたい強烈な記憶として心に焼きついてしまった。
女としての純真な心は、汚されたのだ。
その心は一度は潰されたが、意外なことに自分には貪欲で残酷な別の部分があることに気づく。
今更だが、あの緊張と背徳感は他の何物にも変えられない満足感が得られると。
子供の頃、駄目と言われることほど興味を掻き立てられた。その埋もれていた感覚を呼び起こされてしまったと、そう感じてならない。
次のオファーが待ち遠しい、そう思っていた……。
その日、クライアントの元へと遠方まで足を伸ばしていた。
その帰路の途中、別件を済ませることになっていた。
ステアリングを握る手に汗が滲む。
目的の建物が見えてきた。特徴的なその建物へとステアリングを回し、駐車スペースへと車を滑り込ませた。
美術館………受付を済ませ足を運ぶと凛とした空間に迎えられた。高い天井に白い壁、白い大理石の床が特有の空気を醸し出している。壁には様々な絵画が並び、まばらに絵画を眺める客が足を止めていた。
一人の男性が目にとまった。ジャケットの胸には目印である金色のボールペンが挿してあった。
3歩ほどの離れて横に並び、同じ絵画をしばらく眺める。数分が経つと男性がその場を離れ、柱を囲むように置かれた背のないソファーに腰掛けるのが見えた。
男性の姿が消えたように見えるがこちらからは見えない、わざわざ柱の陰になる向こう側に座ったから。
その柱に足を向け、男性のいる柱の面と直角になる別の面に接するソファーに座った。
誰も気にする者はいないと分っていてもしばらく間を開けて男性の横に移る。
腹を決めたつもりなのに緊張で手が震えてしまう。
痺れを切らした男性が手を伸ばし催促する。
男性の前にしゃがんだ。
スラックスのファスナーに指をかけ、ゆっくりと下ろしていく。
盛り上がった下着の中から見事なペニスを何とか取り出せた。
意を決して口に含む。饐えたような臭いと尿臭が鼻を抜ける。
何も考えないようにして前後するように首を動かした。
なだらかな流線型の面を上唇が滑るように行き来し、カリ首を越える度に硬度が増していく。
咥えているのが難儀するほど勃起を果たしたベニスが口の中を占領するまでになでった。
ネバつくカウパー汁が喉の粘膜に針付く。
咽せそうになるのを我慢して涙が滲んできた。
唾液と粘液が混ざりあったものが溢れ出し、顎を伝って糸を引く。
自分の頭を撫で回し、瞼を閉じる男を見やる。
恍惚に浸り感じ入る様子を伺いながら入口を舐め、なだらかな面に舌を這わせた。
………いいの?そんなにいいの?………
内心の満足感を味わいながら涙を滲ませながら喉奥まで咥え込み、滑りのあるペニスをストロークしていく。
不意に靴音が近づいできた。
緊張が走る。
動きを止めると頭を掴む男が前後に揺すってきた……続けろということか。
靴音は柱の反対側で立ち止まった。
目の前の絵画に感銘を受けたのか、なかなか立ち去ろうとしてくれない。
残酷な気持ちが芽生えた。
唇を窄めて鬼頭を包み込み、ショートストロークに徹していく。
ムリョッリ…ムリョッリ…ムリョッリ…ムリョッリ
口の中が泡立ち潤滑油にまみれた鬼頭が滑りゆく。
男の胸の上下が早くなっていく。
苦しげに悶絶した男を見やり、弄ぶことを決して止めようとしない歪んだ喜びに満たされていた。
男が苦悶をし、荒い息遣いがその時の近いことを告げていた。
不意に鬼頭が膨らんだ気がした。
激しく噴射した精液に喉奥を埋められ、咳き込みそうになるのを辛うじて耐えた。
精液を最後まで絞り出し、取り出したハンカチに全て吐き出して放心した男に見せつけてやった。
立ち上がって男を見下ろした。
だらしなく萎んだペニスを出したままの男を残し、その場を後にした。
その日の夜、ネットでランジェリーを物色する自分がいた。
表からは見えない生身の自分を、着飾りたくなったのだ。
引き出しの中にはパステルカラーの下着ばかりが並んでいる。
性格的に清楚なタイプを好んで選んでしまうけど、少し大胆なランジェリーが欲しくなったのだ。
余りにも露骨に透けていては汚いだろうか。
レースは自分をグレードアップしてくれる素材として外せない。
悩んで白の上下にした。
ブラジャーはアンダーを支えるカップが乳房の下半分を覆い、上半分はスケルトン素材のレース仕立て。ショーツはややハイレグカット、前面がやはりスケルトン素材でレース仕立てになっていた。ガーターベルトもセットになっていたので、注文してみる。数日後、届いたランジェリーをつけて鏡の前に立ってみた。
鏡に映る自分はまるで他人のように妖しい雰囲気を放ち、一方で清楚な女の魅力が自らをも魅了していた。
新たなオファーがきた。
ドキュメントタッチ、ぶっつけの作品だという。
家庭教師というありふれたものだが、予め部屋にどの角度から見えるように隠しカメラを仕込んであるらしい。どうやって仕込んだのかは聞かないことにした。
いつものようにフィクションかと思ったが、どうも実際の家庭らしい。
倫理的にどうかとも思うが、眼を瞑らなければならなかった。
お金が必死なのだ、弁護士失格であることは言うまでもない。
そして、緊張しながら目的の家庭に向かった……。
初めの数回はパンツスーツで熱心な家庭教師像を見せた。真面目に勉強を教え、母親の信頼を得ていったのだ。何回目からはタイトスカートを織り混ぜるようになった。膝丈だが座ると10センチはズリ上がるので、年頃の男の子を誘惑するのには大いに役立ったのだが、母親がネックになる。
まだ若い女性の家庭教師にどこか警戒の色を隠せず、不意をついたようにお茶とお菓子を運んで様子を見に来ていた。それとなく集中が削がれると進言したが、不安なようなのだ。どちらかといえば過保護な親のエゴが強いのかもしれないが、このままだと家庭教師を辞退するかもしれなくなると伝えたところ、やっと止めてくれたのだ。しばらくはドアの向こうに様子を伺う気配は続いたが、やがてはそれもなくなった。
この日はいつもよりも短いスカートを身に着けていた。コートを着ていたので母親は分からなかったはずだ。いつものように男の子の横に座って勉強を教え始めると、太股まで露出していることに目敏く気づいたようだ。何気なく視線が移る回数が増えている。自然を装って脚を組み、自然な流れで組み替える。そのたびに視線が動くのだ…分かりやすくて可愛くなってしまう。
パンツの前が盛り上がっているのに気づいた。
彼はまさか、こちらに気づかれているとは思っていないようだ。アクションをスタートする。
組んでいた脚を解き、熱の入った指導をするふりをしながら股を開いて見せる。
確信的に覗き込まなければ見えないだろうけど、見えそうで見えないスカートの奥を見ようとする願望が伝わってくる。わざとらしく消しゴムを落としてみたりするから、分かりやすい。
問題が解けると、そうそう……と、嬉しさのあまり彼の膝を手で軽く叩くという体をみせた。
彼は次々と問題を解いて見せる。これが淡い性欲のなせることなら恐れ入る。
教えた成果が出て嬉しいという体で彼の膝にこちらの膝を思わず密着したというふうにして、わざとそのままにする。
指導に熱が入ったように彼の太股に手を置く。
途端に彼の緊張が伝わってきた。
手をずらしてスッと股間に触れる、何も気づかなかったように髪の毛を耳にかけてみた。
硬い何かにぶつかった瞬間、彼は身体をビクッと硬直させ内心の動揺を隠そうとしていた。自分の身体の変化に気づかれてはいまいかと、気になって仕方がないらしい。
何事もなかったようにした。
ちょっと暑いわね……言ってみせてジャケットを脱ぐ。キャミソール等のインナーは勿論、身に着けていない。
ブラウスのボタンを1つ、開けた。
上から2つ目が開いたことで際どくなった胸元が彼の興味を引いた。
ブラウスから透ける下着に気づくかを待った。
チラリと見る……また見た、目敏く気づいたようだ。パンツの前が不自然に目立つようになった。
男の子の気が散り始めたので太股を軽く叩きやり叱咤、そのまま手を置く。
そこはこう、ああしてこうすればと具体的な教えを説きながら、太股の付け根に手を置いていたことに気づいていないふりをした。
ほら違うでしょ、ここはこうだと説明しながら彼に身を寄せて胸元を見せる。同時にすっかり変化を遂げた彼の股間に小指を着ける。動揺する彼彼をまた叱咤する。そこでやっと勃起していることに気づいたふりをして、もっと集中しなさいと強く叱咤してみせた。消沈しながらも勉強に集中しようとする彼が可愛くて仕方がない。
もう、焦らすのを止めにした。
パンツの上から股間に手を置き包んでみる。
どう反応していいのか分からないというように、しどろもどろになる彼に言う。
ほら、集中しなさいって言ったでしょ、と叱咤しながら形を成すそれを握る指に力を入れた。
何を考えたらここがこうなるの?勉強中でしょ。
キツく叱咤しながら上下に擦ってみせる。
困り果てながら健気にシャープペンシルを動かし続ける彼の、パンツのファスナーをゆっくりと下げた。
下着からペニスを取り出す。
あくまで口ではキツイ家庭教師を演じ、机の下ではゆっくりとペニスを握る手を上下する。
彼は口で呼吸をしながらノートにシャープペンシルを走らせている。
半分ほど被る包皮を剥いて直接、鬼頭を握り上下する。
彼の手元が怪しくなったので、ほら集中でしょ!と理不尽なムチを振るった。
透明な汁でヌルヌルになった手をハンカチで拭い取ると、彼に釘を打つ。
分ってるでしょ、集中だからね………
言い終わると横から身を屈めてペニスを口に含んだ。
頭を上下に動かしペニスを滑らせると口の中がたちまち粘つきに満たされてしまった。
頭上からは彼の息遣いが聞こえてくる。
数分も経たないうちに限界に達したペニスが口の中で一瞬、膨張をしたかと思うと勢いよく射精を始めていた。腰をピクピクと痙攣させて数回に渡り精液を噴出を続けるペニスから精液を吸い絞った。
呆けた表情の彼に告げる。
これだけじゃ勉強に集中出来ないでしょ?
立ち上がってとスカートをたくし上げて見せた。
セパレートタイプのストッキングを吊るガーターベルト、斜めに切れ上がるショーツからはスケルトンになった前面から黒々した陰毛が見て取れる。
ショーツのサイドに手を差し入れ下げて見せた。
彼は食い入れるようにそれを見つめている。
前に回って彼を跨ぎ、入り口にペニスを向けると彼を見つめながらゆっくりと沈めていった。
ブラウスのボタンを更に外すと半分スケルトンになったブラが彼の視覚を刺激した。
抱き寄せると自ら下着を押し上げてむしゃぶりついてきた。めちゃくちゃに吸い付くので、優しく扱うように言うと従順に従った。
首に抱きついて腰を前後に動かしていく。
擦り上げるペニスが夢の中に誘ってくれていた。
二人分の体重に耐える椅子の音をなるべく立てないように、上下に腰を打ち下ろす。
脳まで快感が走り身体に広がっていく。
前後に、上下に、交互に動かし最適な喜びを探していく。
堪え性のない彼は呆気なく二度目の射精を迎えていた。
ビクビクと放出を終えた彼を椅子から立たせると、下に寝かせる。
彼の了解を得ずに萎むことを知らないベニスに腰を下ろす。
まだできるよね?……したかったんでしょ?
苦悶を浮かべる彼は、有無もなくただ従った。
なぁに、気持ちいいの?……先生も気持ちいいのよ……ほらぁ…こんなに硬いっ……あぁぁぁぁ~っ
二度の射精を果たして尚、続くセックスに敏感になっているペニスが許容を越えた快感を受け止め切れず苦しんでいたが、大人の女を知るのに早いも遅いもないと残酷になる。
また射精されていた。
不完全燃焼では追われない、あともう少しだった。
腰を動かす。
悶え喘ぐ彼の口を口で塞ぎ、打ち付け続ける。
堪らない快感が身体を包み込み始める。
もっと、もっと欲しかった。
女の子のように乱れる彼にしがみつく。
ダムが決壊したような衝撃に襲われ、激しい快感に思考が飛んでいた。
彼の体の上で痙攣し、波が引くまで動けなかった。
彼にはこれからも会って欲しいと告白をされたが、こんな歪んだ性癖の女に執着する暇があるならまともな女の子に恋をしなさいと切り捨てた。
歪んだ性癖………いつの間に自分はこんな女になってしまったのか。
だけどもう、戻れないと思った。
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