とても耐えられそうにないと思った。
通帳には魅力的な数字が並んでいたが、限度というものがある。
この先を考えれば不安しかないのだけれど、先方には辞退を伝えるべく事務所を訪れていた。
「初めては大変だったと思います、お疲れ様でした。」
『そのことでお話があります、実はもう……』
「いやっ、不安だったと思います。この業界にはいろんな女性がドアを叩いて来ましてね。皆さん最初は同じように自信を持てないんです」
「主婦の方、モデルさん、看護師さん、教師の方……大きな声では言えませんが貴女のお仕事でよく接する公務員の方もいらっしゃるんです」
考えたくはなかったが、言わんとする意味は理解出来た。
「本来は他の方のことを教えることはこの業界的に倫理違反ですが、貴女の他にも弁護士さんが在籍していらっしゃるんです」
それは初耳だった。
「今回は特別にその方が出演されてる作品をお見せします」
見たくはなかったが引け目みたいなものもあり、同業者が出演しているとあって背徳感を少しでも減らしたい気持ちがあったのかもしれない。断り切れなかった。
映し出された場所はどこかの大学のようだった。
画面は居並ぶ生徒達を映してからターンして教壇を映した。そこでハッとした。どこか見覚えがあるような気がしていたが、そこは紛れもなく母校だったからだ。教壇に立つ講師を見て信じられないほどのショックを受けた。現役の弁護士が講師として招かれ教鞭をとることがあったのだ。なにを隠そう、この美しい女性弁護士に憧れ、話に感銘を受けて今の道を歩もうと思ったのだ。
画面は変わり、教台の中から彼女の下半身を映し出した。
彼女のスカートの中へ伸びた手が下着を引き下げて抜き取ると、スカートを押し上げて露わになった場所を好き勝手に弄び出したのだ。
腰を捻って耐える様子が如是つに分かり、挿入していた指を引き抜く。アップに映し出された指を誇示するように開くと粘り気のある糸が伸びて、水滴のような粒が糸を引きながら落下していく……吐き気がした。
何やら映像の景色が移動して彼女の後ろに回ったようだ、突き出された白いお尻が見下さるように映っていた。そういえば彼女の後ろには不自然なほど近い垂れ幕のような壁が設えられていたと、 思い出した。自分達の側からは見えなかったけど、腰の辺りから下はカーテン状の布になっていたなんて、知らなかった。
音声からは彼女の熱弁が聞こえる中、突き出された男根が彼女の中にゆっくり埋まっていく。抜け落ちるギリギリまで引き出してはまた埋没させ、テラテラと光るペニスがゆっくり現れては消える、それをが繰り返された。
映像が2画面に切れ変わり、彼女の顔と下半身がリアルタイムに映し出す。
彼女の手が自らの太股に下がり、爪を肉に喰い込ませて実は必死に耐えていた。
身振り手振りで饒舌だった彼女がこの辺りで教台に両肘を付き、生徒達に訴えかけるように喋っていたことを思いす。
同時期には両手で彼女のお尻を掴み、ペニスを忙しく出し入れされていたのだ。
潤んだ瞳で生徒達を見回し、うっとりしたようなあのときの表情は恍惚していたと知れる。
内股になりながらも快感を受け止め、生徒達に見られながら快楽に酔う変態女。
感極まったかのように言葉を詰まらせ、救いを求めるかのように必死な表情で数秒ほど無言になった。そして声を震わせながら掠れたやしい声で…
槌この中から有望な弁護士を目指す人が出てくれたら、嬉しいです槌
そう、言葉を締めくくたのだ。
同時期に膝を震わせる彼女からちょうど、ペニスが引き抜かれるところが映し出された。
アップになった女性器からはドロリとした精液が溢れ出て、太股を伝いながら流れ落ちていくところだった。
激しく軽蔑し、嫌悪感を感じざるを得なかった。
なのに……嫉妬を覚えて狼狽えてもいた。
羨ましかったのだ。
時間にしてほぼ1時間、彼女は感じ続けていたのだ。
あんなにベニスを味わえるなんて、どんな感じなのだろうか。
彼女は何度も腰を落としそうになっていたではないか。
感じてみたい……深い快感を知ってみたい。
喉が乾いて仕方がなかった。
身体も渇望していた。
この仕事を……仕事と言えるならばだが、断る筈だったのに、いつの間にか次の撮影の打ち合わせに参加してしまっていた。
熱病に侵されたように……。
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