お姉さんとはいつか絶対にここを出ようねと、励まし合い生きてきた。
耐えきれず逃げ出す子もいたが、連れ戻された挙げ句に姿が見えなくなった。
どうなったのか気にはなったが、怖くて誰にも聞くことは出来なかった。
そういう子の末路は悲惨だったからだ。
絵美が足抜けできたのはつい2年前、お姉さんは昨年のことだ。
一度だけ会うことがあった。
再会に抱き合って喜んだものだが、お互いに思い出したくもない過去との決別にもう会わないと決めていた。 今はどこに居るのかさえ知らない。
今は作家としてひっそりと生きている。
極力人と接しなくてもいい仕事として選んだのだ。
作家と言っても卑猥なエロ小説。皮肉なことにそっちの経験は豊富なことからたちまち人気が出たのだ。美人作家の枯れることのないエロチズムという噂が噂を呼び、誰もがその姿を知りたがったがほぼ実体験であるとは当然伏せていた。
セックスはもう一生分したのだから御免だと思っている。それでも生理前になるとどうしようもなくなってしまう。これも後遺症なのだと理解している。
本当に抑えられなくなると男を買った。
満足したければ変装をして成人映画館や満員電車を選んだ。その道の変態は歪んだ性癖を極めているからだ。
その手の類の映画館に女が1人で入れば嫌でも男が寄って来た。
その中でこれはという1人を選び、後部座席の後ろに誘うとしゃがませて頭をスカートで覆い被せてあげた。片脚を肩にかけてあげると直ぐに舌を踊らせてくれるのだ。これまで弄ばれてきたクリトリスは小指の半分くらいの大きさがある。男はそれを吸い、舐め上げ、叩き、様々な角度から舌を踊らせた。スクリーンに映し出される男女の情事を観るともなく眺めながら湧き上がる絶頂感に身を委ね身体を震わせた。男を引き離し、後ろに回してあげると熱いモノが入って来た。
満員電車では痴漢されやすいスカートを身に着けた。これはという目をつけた男は大抵痴漢常習者だった。目の動きが独特だから自分には分かりやすいのだ。
その日はラップスカートを履いていた。
お尻から前へと手が回ると巻きスカートであることが嫌でも男には分かる。合わせ目から侵入してきた男の手は女を感じさせようと巧みな動きをする。クリトリスの存在感に一瞬動きが止まると、直ぐに嬉々として指先を踊らせてくれた。我慢出来なくなるとスカートの前を後ろに回し、下着を脇に寄せて挿入してきた。満員電車なだけに派手に動いてはくれないけれど、密着しているので奥まで届くのだ。幅の短いピストンでも30分以上も繋がっていれば堪らない快感が広がってきた。
腰を掴む手に力が入った瞬間、中のペニスが膨らんだような感じがした直後に熱いモノが注がれているのが分かった。抜く素振りを感じたので男の手を掴み、骨盤底筋に力を込めてペニスを暫く締め上げてあげると、力を取り戻したペニスが活動を再開してくれるのだ。子宮口の周辺は堪らない快感を感じることを嫌というほど知っている。鍛え上げられた膣壁周りの筋肉は上り詰めるほど収縮をくり返し男を喜ばせる。
やがて精液を絞り取っていた。
ある時は病院に足を向けた。
片足を骨折しているだけの、他は健康な若い子を物色した。見ず知らずの男の子を誘惑するとしたい盛りの年頃は簡単に乗ってくれた。
トイレの個室に入っただけで勃起してくれているから話しが早いかった。
あとはペニスを借りるだけでいいのだ。
2、3回射精してもまだ持続してくれるから重宝した。
腰の運動は緩めなかった。溺れかけて必死に呼吸をする者のように喘ぎ、苦悶しながら感じ、なかなか訪れてくれない遥か遠くの射精感に苦しんでいる。
最初の数回の射精が早かったのだから耐えてもらわないとね。残酷な笑みを浮かべながら前後に腰を動かし続けていく。身体が許容量を越えるあの感じに満たされ頂点に達した時、全身が痙攣に襲われ、脱力した。
暫くしてやっと立ち上がると、情けなく呆けた男の子に不釣り合いな勃起させたままの彼をその場に残してその場を後にした。
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