私がクマタカと初めて出会ったのは、もう10年程前。
長野県の佐久市辺りから埼玉の秩父へ抜ける峠道に大きなダム湖がある。
紅葉の時期、私は車から降り、ダム湖の紅葉を眺めていた時だった。
とても通る澄んだ声で、ヒュイッ!ヒュイッ!ヒューーーイッ!
初め、ハクトウワシの鳴き声かと思ってびっくりして、慌てて車から双眼鏡を持ち出して辺りを探ると、以外にも近い所にいた。
思わず「クマだ!」1人で叫んでいた。
クマタカは、ピクリともせず、堂々とした威厳ある姿でじっとダム湖を泳ぐカモの一族を眺めていた。
暫く、せっかくのクマタカだと双眼鏡で観察していると、もう一度、ヒュイッ!ヒュイッ!ヒューーーイッ!と鳴いて飛び立った。
それ以来、クマタカに取り憑かれている。
現在、クマタカは激減している。
クマタカと同じ、イヌワシももう日本に生息していると思われる数は600を切った。
私が死ぬ頃には、クマタカもイヌワシと同じ運命を辿るであろう。
だが、これは自然の摂理。
滅びる者なくして、進化はありえない。
新しい種の出現を祈り、クマタカとイヌワシは、神となるだろう。
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