授業が終わり、カバンをまとめ帰る支度をする。
後ろから声をかけられた。
今日はよく声をかけられる日だ。
「モリシ、一緒に帰ろうよ、、、」
「おう、いいぜ、、、」
数少ない気の置けない友人の一人、日詰ルイだった。
相変わらず大人びた女の色気を滲ませるルイと並んで歩いた。
もう慣れた俺は、他の男達のようにその色気に惑わされることは無い、、、つもりだ、、、
ルイはやや背は高めで長く伸ばした艶かな黒髪、男好きのする可愛らしい顔立ちをしていた。
そしてとにかくスタイルが抜群で細身なのに胸と尻だけがデカい。
とにかく高校生とは思えない色気があり、男子にメチャクチャモテるが、大学生の彼氏がいて高校生など相手にしない。
そんなルイとは1年のとき同じ通学の列車に乗っていて、チカンの被害に遭っていたのをセカイが助けた事から、言葉を交わすようになった。
話をするうちに、相手が女であるにもかかわらず、メチャ気が合い、お互いに親しみを感じる得がたい友人となっていった。
並んで歩いていると、廊下の端に板橋が一人で佇んでいるのが目に入った。
ルイがいきなり腕をつかんできて、
「ねえ、モリシ、二人でどこかに寄って行こうよ?」
そう言ってきた。
「ああ、いいけど、、、」
セカイが答える。
それを見ていた板橋がカバンを胸に抱えるようにして行ってしまった。
何か俺に用事があったのかなと思いつつ学校を後にした。
つづく
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