翌日は始業式だった。
カナは昨日のショックで学校を休んだようだ。
式典の後片づけを仰せ使い、一人遅れて教室へ戻った。
今日は授業も無く、後は帰るだけだ。
遅れて来たセカイを残してホームルームを済ませた教室には、もうほとんど生徒が居なくなっていた。
カバンを持って教室を出ると、ユズルと板橋が廊下で待っていた。
ユズルは昨日まで親友だと思っていた男だ。
イケメンで女子にモテモテの男だ。
女癖は良くないが、いいヤツだと思っていた。
高1のとき同じクラスで、初めてできた友人だった。
一緒にいる板橋はユズルの彼女だ。
これまた絶世の美女ときている。
学校一番と言われる美人で、性格も最高にいい。
今は別々になってしまったが、この二人とカナを含め四人は1年の時は同じクラスだった。
「ようセカイ、久しぶりだな、、、合宿はどうだった?」
ユズルが声をかけてきたが、俺は応じない。
「ねえ、森島君、カナのこと知らない?今日、休んでいるんだけど、電話も繋がらないの、、、」
板橋とカナは親友だ。
「さあね、、、知らないな、、、」
俺はとぼけてそう答える。
「カナのことはいいだろう。あいつにだって都合が有るんだから、、、セカイ、一緒に帰ろうぜ。」
ユズルが誘ってきたが、俺は冷たい目でヤツを睨んでいた。
こいつ、何も俺が知らないと思って、白々しいヤツだ。
「やめておくよ、、、それにお前とは、もう友達もやめる。」
「やぶから棒に、いきなりなんだよ、、、それジョークか?」
ヘラヘラしながらヤツが尋ねてくる。
「冗談じゃ無いことは、お前がよく知っているはずだ、、、」
俺の感情を押し殺した声に、ヤツの端正な顔が青ざめ始めていた。
当然だ。ヤツがカナの浮気相手だった。
つづく
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