翌日、学校へと向かった。
昨夜は不安で一睡も出来なかった。
早くソラに会わないと、、、
ソラはどこまでわたし達のことを気付いているのだろう?
大丈夫、、、二人でいたのを見てヤキモチを焼いているだけだ、、、
それもイケメンのアツシと二人きりだったから嫉妬していただけだ、、、
そう自分に言い聞かせようとする。
でもそんなことだけで、あの穏やかなソラがあんな態度をとるだろうか?
ひょとして、、、まさか、、、
絶対にソラには知られたくない。
不安で頭の中がいっぱいだった。
ミドリは教室に駆け込んだ。
ガヤガヤしている教室に入ると真っ先にソラの机を見る。
まだソラは来ていなかった。
ソラの机に昨日の生々しい記憶がよみがえる。
わたしは昨日、あそこでアツシと浮気をした。
わたしはなんて事をしてしまったんだろう、、、
激しい後悔の念に襲われる。
その時、クラスが静まりかえっているのに気がついた。
みんながミドリを見ていた。
えっ、、、なに、、、どうしたの?
みんながミドリを見ながらヒソヒソと話を始めていた。
それでいて誰一人としてミドリには話しかけてこない。
ミドリはみんなの視線に耐えきれなくなって、自分の席に着いた。
みんなわたしの話をしているのだろうか?
みんな何を知っているんだろうか?
その時、クラス委員の脇野さんが教室に入って来て、一時間目は自習になったとみんなに告げた。
担任の山吹はやってこなかった。
何かが起こっている。
ミドリはイヤな予感を感じていた。
ミドリは勇気をだして、前の席のノゾミに声をかけた。
ノゾミはソラの幼馴染みで親友だ。
ソラと付き合うようになってから、ミドリとも親しくするようになっていた。
返事が無かった。
聞こえなかったのかと思い再度声をかけたがやはり返事がない。
するとノゾミは席を立った。
「浮気女、、、」
ミドリを見ることもなくそう言うと他の友人のところへと行ってしまった。
確信した。
みんな知っている。
わたしとアツシのことを、、、
頭の中が真っ白になっていた。
ことが事だけにクラス中が全てわたしの敵になっていた。
そもそもわたしはソラがいたからこそ、その存在を認めてもらえていたのに、、、
みんなソラの味方だ。
わたしがしたことを考えれば当たり前のことだ。
こんなこと、もしみんなにバレたら、こうなることなんか分かっていたはずなのに、、、
わたしって本当にバカだ、、、
膝が冗談では無く震えていた。
心の中がバラバラになりそうだった。
自習時間が終わり、山吹先生が入って来た。
アヤ先生とみんな呼ばれるいつもの優しい笑顔は全く無い。
山吹は真っ直ぐミドリのところへとやって来た。
えっ、、、どうして?
「斉田さん、これからわたしと一緒に校長室へ来て下さい。」
あんなに優しくしてくれた先生が冷たくミドリに告げていた。
校長室?どうして、わたしが?
頭の中が混乱していた。
黙って先生についていく。
途中で一度だけ振り向きミドリに言った。
「斉田さん、全て本当のことを言いなさい、、、一つでもウソをついたら本当に大変なことになります。これがわたしからの最後の忠告です、、、」
そう言うと、再び前を向き歩き始める。
大変なこと?最後の忠告?
怖い、、、ソラ、助けて、、、
困ったときいつも助けてくれたソラ。
そんなソラをわたしは散々に裏切った。
他の男と浮気しまくっていたクセに、都合が悪くなるとすぐにソラを頼ってしまう。
わたしは本当に最低だ、、、
校長室の前でミドリの母親が待っていた。
もう明らかにただ事ではなかった。
つづく
※元投稿はこちら >>