額の汗を拭う従業員が晴れやかな笑顔を浮かべていた。ボーナスが支給されたのだ。子供のいない結衣たち夫婦にとって若い従業員は家族のようなものであり、誇りだった。
主人には本当のことは言えない。
主人と会社を守る為に、自分では割り切ったつもりでいた。
仕事とはいえあんなにも快楽に身を震わせているなんて、どうして言えるだろう。
秘密を守り通さなければ…。
自分たち、従業員の為だから…。
強い決意に微塵の隙間もない結衣なのだった。
新たな仕事のオファーに、打ち合わせを行った。
実はですね、貴女の作品が評判いいんですよ。
そこで提案なんですが、これまでと違って動画の作品に出演するというのはいかがでしょう。
話を聞けば聞くほど目眩がした。
自分がAVに?
想像するだけでも吐き気がする。
報酬はこれまでとは比べ物にならない額。
どうすればいいのか。
主人と従業員たちの顔が浮かんだ。
私が我慢すればいい…。
目の前の契約書にサインをする手が、震えていた。
撮影前、事前に指定された病院で検査を受けている。射精に伴う妊娠を防ぐ為の緊急用ピルの処方もここなのだ。
ショーツを脱いで分娩台に乗った。いい気分ではない。
現れた医師はいつもの人ではなかった。
まるで芸能人のような爽やかな好青年。
途端に羞恥心が芽生え始める。
話は聞いています。
一通りの検査をしていきますので、緊張なさらないでください。
初めて経験なさることもあるかと思いますけど、必要なことですので。
途中で疑問に思うこともあるかもしれませんが、あくまでも検査ですから…。
あれこれと質問を受けながら検査が開始された。
膣に器具が挿入される。冷たさに体が強張ってしまう。開かれているのか、軽い苦痛があった。
器具が取り除かれる。
触診と称して丹念に触れられていく。
クリトリスに触れた。
医師:何か違和感はありますか?
結衣:いえ
医師:ん~
クリクリと指が円を描く。
凪いでいた水面がうねりを見せる。
結衣:せっ…先生、そこは関係あるんですか?
医師:はい、デリケートな所ですから、ちゃんと診させてくださいね。
結衣:…そうですか。
医師:ちょっと消毒しますから
医師はそういうと脱脂綿をピンセントで掴む。染み込ませたのは消毒液ではなく、ローション。
医師:ちょっと冷たいですからね~
包皮を押し上げたことで、露出したクリトリス。
あまりにもの冷たさに体に力が入り、硬直する。
医師:貴女がというわけではありません。
形状が形状ですから、しっかり消毒しますね
結衣:はっ…いっ
医師:大丈夫ですか?気持ち悪くなってませんか?
結衣:だはぁい…じょぶ…です
医師:では続けますね
ク~ルク~ルと優しく円が描かれ、勃起が始まった。
美しく艶々とピンク色に染まったクリトリス。
次第に早く擦られていく。思考が疑問に傾く前に、強烈な快感に襲われていく。肌に爪を食い込ませ、どうにか声を押し殺すことに成功する。
医師:はい、それでは膣の触診に移りますね
結衣:はっはい…
ヌ~っと指が挿入していく。
360度を確認するように、触診が進められていく。
医師:ここはどうですか?…ここは?…はい、ではここは?
質問を受ける度に返事を反す結衣。
医師:それでは、ここはどうですか
結衣:………は…い
そう返事をするのがやっとだった。
甘くとろけるような感覚が拡がった。
医師の指は下腹側を行き交っていた。
薄い医療用ゴム手袋を通して指に絡みつく膣壁。
結衣:せっ…先生?これ本当に検査ですよね?
医師:勿論そうですよ。先程もご説明した通りです。初めて体験なさる方は皆さん困惑なさいますが、リラックスしてください。
結衣:あっ…はい、そっうなんっですね。
せんっせい?なんか……なんというか…
医師:デリケートな場所ですからね、健全な反応ですから心配ありません。
指が的確な箇所を確実に攻めていく。
医師:極たまに、危険な状態な方がいらっしゃいます。これで発見できることもあるんですよ。
もう少し、続けますね。
結衣:んっんんっ…はっい
二本に増えた指が先を急ぐように進んでは後退し、忙しく動き回る。
結衣は両手で顔を覆い隠し、くぐもった喘ぎ声を必死に防いでいた。
イキそうだった。
不意に医師の指が抜かれた。
下半身を隔てるカーテンのこちら側で、医師に悟られないように荒い呼吸を整える。
ゆっくりと余韻が引いていく。
淫らな声を上げなかったこと、医師の前で上り詰める醜態を晒さなかったことにほっとしていた。
こんな検査は初めてだった。
そもそも本当に検査なのだろうか…。
医師:それでは、これで最後になります。
シリコン製の器具で調べていきますね。
金属製ではありませんから冷たくなくて、患者さんには負担が少ないんですよ。中に熱源がありますからちょっと温かいと思います。
結衣:あっはい…お願いします
医師:それでは始めますね~、力を抜いてください
丁寧に潜り込む温かい異物だと思った。
でも…なんか覚えがあるような…
中を進んでは、後退。繰り返し同じことが行われていく。
甘~い感覚が拡がり始めた。
危険な兆候に不安になる。
我慢しなければならなかった。
気持ちがいいのだ。
早く終わって。
そう願うしかない。
中で膣壁が擦られる度に、ある予感が強くなる。
あの、快感。
堅く目蓋を閉じて、嵐が過ぎ去るまで耐える覚悟をした。
肌が汗ばんできた。
ヌッチャッ、ヌッチャッ
自分の下半身から聞こえる卑猥な音が、恥ずかしくて堪らない。
貪欲になりつつある自分を、必死にコントロールする。
気持ちいい、気持ちいい…もっと…はやく終わって…早く…あぁ
天井を見た。
神経を他のことに向ける。
快感の波が押し寄せる。
気持ちいい。
時々、思考が定まらなくなる。
どうにか耐えた。
医師が絶えず質問をしてきていた。
ちゃんと返答しているだろうか。
奥に到達する。
何度も到達してくる。
堪らなかった。
医師:ホルモンのバランスが崩れると…
ヌッチャッ、ヌッチャッ
結衣:はい…あっはい…ハァ~ッ~…ハァ~ッ
ヌッチャッ、ヌッチャッ
医師:それでは、もう少し早く動かしていきますね
ヌチャッヌチャッヌチャッヌチャッヌチャッ…
結衣:……………
許容を越えていた。
ハァッハァッハァッン~~ンッンッンッンッンッ
自分が横たわる台の脇を握り締め、枕から頭が落ちる。頭を左右に振ることで乱れていく髪の毛。
肌に打ち付けられるピシャッピシャッとした音が響き渡る。
奥から伝わる快感が、体を蝕んでいく。
駄目…いいっ…いいっ…アッアッアッアッアッアッ…
…突然、頭が真っ白になった。
背中を反らせ、体が激しく痙攣した。
医師が引き抜いた。
だらしなく開いた穴からは、とろみのある濃厚な精液が音を立てて流れ落ちていく。
結衣は、まだ引かぬ快感の海を漂っていた。
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