あれからも不思議な体験は、ことあるごとに続いていた。
寝ている時が殆んどだが。
まだ眠りが訪れてもいない微睡みの途中、今度はいきなりパジャマの前を乱暴に開け、乳房をわし掴みにされていた。
暗闇の中で浮き立つ白い乳房に、掴む指の形に変形してゆく様を見たのだ。
舌でなぶっているのか、乳首は細かく揺れ、乳輪まで吸引されたように伸びた。その間、生身の人のしっかりとした感触まであるのだ。
乱暴にパンツを下げられ、挿入された感触までがリアルであり、しっかりと絶頂まで上り詰めたのだ。
この体験が始まってから早くも20年が過ぎようとしている。
この類いに詳しい専門家を探して、まとわりつく何かを祓おうとしのたが、無駄だった。
ここ最近はいつでもいきなりやって来ていた。
ただ、今は少し待つよう強く願うと、手加減してくれるようにもなった。
生活に支障がででは堪らない。人前で絶頂を迎えるなど受け入れられるものではない。
だが、いつも言うことを聞いてくれるわけでもないのも事実だった。
先日のこと。
通勤で電車の車内にいた。
いつものように、いきなりだった。
吊革に掴まって揺れに身を任せているときだ。
尻を這う感触に、痴漢だと勘違いした。
振り向くと触れる位置に人が居ないのだ。その最中にも尻を這い回る感触はあった。
場所をドアの前に移動せざるを得なかった。
その手はスカートの中まで進入し、女が感じるように動ので平静を装うことに努力しなければならない。
現実には不可能な、スカート、パンスト、ショーツを身につけたまま直接素肌に触れ、敏感な突起を撫で回し、指らしいものを挿入されていた。
私を、女を感じさせるには十分で、その巧みさはここだけを切り取るならば最高と言わざるを得ないかもしれない。
膝が震えていた。
力が抜けないように肩幅に足を開き、踏ん張った。
突然、前から腰を羽交い締めするようにされて、お腹をつき出すような、そんな格好になった。
事実、腰に抱きつくようにされて下半身に顔を埋められていたのだ。
あらゆる衣類を通り越し、直接敏感な突起を舌業を駆使して…たまらなかった。
咄嗟に目の前の手摺に両手で飛びついた。
強く吸われれば苦悶し、慈愛に満ちた触れられかたには恍惚した。
立ち姿はそのままに……挿入など不可能なのに、アレが入ってきた。
私は両足が着いているのに、奥に当たるのだ。
顔に荒い息遣いを感じる。
トントントントントンッ…
リズミカルな振動が子宮の入口を叩いていく。
ヌチャヌチャとした音が電車の騒音に混じる。
聞こえる筈のない咀嚼音に似たその音は、自分の向かいに立つ女性にも聞こえているようだ。
不快に感じたのか辺りを見回している。だらしなくガムを噛む人間を見つけようと視線を走らせるが見つからない。
まさか目の前にいる自分から発せられているとは思わないだろう。
衣類を通り越し、執拗に音まで響かせるほどの打ち込み。
頭がおかしくなる。
気持ちいい…気持ちいい…気持ちいい…気持ちいい…ああぁいいぃぃ
顔を伏せて髪の毛で隠さなければ、淫靡な表情を晒すことになっていただろう。
立っていられずしゃがみ込んだ。
心配した女性が声をかけてくれた。でもその最中だったから受け答えなど出来ようもない。
内股でしゃがみ込むその膣内には、尚も姿のない物体が動き続けていた。
床に尻をつけて座り込んだ。
どうにもならなかった。
いぃ…いぃ…すごいぃ…おか…し…く…なるぅ…
実際には呻くだけだったが、内心で叫ぶしかなかった。
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