三年生になって陸がいなくなった。
剣道の強豪、王林高校に転校していった。
一時期、陸と交際していた山吹が今年卒業した高校だ。
以前から誘われていたという噂だった。
それも事実だろうが、わたしのせいだと加奈子は思っていた。
自宅から通うのは大変だということで、陸は一人暮らしをしているらしい。
陸のいない高校生活は胸に大きな穴があいたようで、虚ろな毎日だった。
加奈子はその穴を埋めるように勉学に集中した。
陸と同じ大学に絶対入りたい。
陸のそばにいたい。
前のように戻りたいなんて贅沢は言わない。
陸を遠くからでも見つめていたい。
それだけでいい。
凪たち以外とはほとんど口を聞かなくなった。
陸と別れたことを知った男達が、何人も加奈子に交際を申し込んできた。
みんな何が目的なのかは明白だった。
加奈子の美貌とその高校生離れした肉体が目的なのだ。
加奈子は相手にしなかった。
口もきかず無視をして男達を寄せ付けなかった。
加奈子は陸の住んでいる場所を知りたくて、いろいろと調べまわった。
陸の母親にも尋ねたが、ごめんね、陸に誰にも教えないようにと言われいるの、とすまなさそうに言われてしまった。
当然のように陸のスマホはつながらない。
加奈子は辛い日々をおくっていた。
そんなある日、七海から二人で話がしたい言われた。
「わたしヒロと別れたんだ。」
突然七海が言いだした。
「ええっ、本当なの?、、、あんなに仲がよかったのに、、、」
「うん、お互いに大学受験に集中しようということで、、、表向きはね、、、」
「えっ?」
「わたし、陸にアタックするつもり、、、ていうか、もうしてる。」
「ええっ、、、、、」
「加奈子にだけは言っておかないとと思って、、、、、わたし、陸のことが好きだって気づいたんだ、、、」
ウソ、、、ずっと前から好きだったクセに、、、
「わたし、陸がすごく好き、、、絶対に彼女になってみせる。凪も陸にアタックしているみたいだし、絶対に負けたくない。」
そのあと声を潜めるようにして七海が言った。
「それにもし付き合えなくても、陸とセックスするつもり、、、脈はあると思うんだ、、、」
えっ、脈ありって、何かあったの、、、
「わたし、セックスでイッたことないって言ったでしょう。陸なら絶対にイカせてくれると思うんだ。それに初めてイクのは陸がいいなって、、、わたしね陸にね正直にそう言ったんだ。」
そんなこと言ったの、、、
「それ、いつのこと?」
「陸が転校する少し前、、、ああ、ちゃんと加奈子と別れたあとだよ、、、あっ、ゴメン、、、」
「ううん、、、本当のことだし、、、」
「あのね、本当のこと言うね、、、怒らない?」
「うん、わたし聞きたい、、、」
「わたしね陸が転校する前にどうしても陸と二人で話がしたいって頼んだの、、、」
七海の顔がまっ赤になっている。
いったい何があったの?
「陸がわたしの部屋に来てくれて、、、陸にヒロと別れたって言ったの、、、、そうしたら陸がびっくりして、どうしてって、、、わたし正直に陸が好きだからって言った、、、」
続きを聞くのが怖い、でも聞かずにはいられない。
「わたしと付き合って欲しいって告白した。
そうしたら陸、少し考えさせてくれって、、、
わたし、いつまでも待つからって言ったんだけど、陸と二人きりだったからチャンスだと思って、エッチでイッたことがないことを言って、付き合わなくても陸と初めてイキたいって、、、」
七海が憎らしい、でもわたしに文句を言う資格はない。
「陸困った顔してたから、わたしの方から陸にキスしたの、、、初めのうちはわたしだけ夢中になってキスしてたの、、、そしたら陸がいきなり抱きしめてくれて、舌を絡めてくれて、、、陸のキス、すごかった、あんなの初めて、、、加奈子がこんなキスしてたんだと思ったら、羨ましくて、すごく興奮した。キスだけでイキそうだった。そしてベッドに横になって、、、わたし陸のこと好きって言ったら、服を脱がされて、わたしも陸を裸にした、、、」
胸が締め付けられる。
二人はセックスしたんだ、、、
「陸、すごくキレイだって言ってくれて、でもわたし加奈子みたいに胸大きくないし、Dしかないし、でも褒めてくれて、いっぱい躰中にキスしてくれた。あそこもいっぱい舐めてくれて何回もイッちゃった。」
本当は二人はもう付き合っているのに隠しているのかもしれない。
「わたしもしてあげたの、、、陸のにすごく興味あったし、、、、すごかった、ヒロよりずっと、倍以上大きくて、興奮していっぱいフェラしちゃった。わたしすごく陸が欲しくなって入れてってお願いしたんだけど、してくれなかった。これ以上はちゃんと付き合ってからだって、、、わたし残念な気持ちもあったけど、すごく嬉しかった。わたしのこと大切にしてくれてるんだなって、、、だって男なんてしたがるばっかりじゃない、、、わたし陸もガマンしてるのわかってたから口と手でしてあげるって言ったら、それも付き合ってからだって、、、どんだけ陸、自制心が強いんだって、、、でも、きっと次は最後まで、わたし自信ある、秘かに、、、」
つづく
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