その美しくてあどけない表情が自分よりもずっと年上だという意識を忘れさせる。
髪を優しく撫でてしまう。
自分なんかまだ高校生のガキなのに。
安心しきった嬉しそうな瞳で見つめてくるエリが、愛おしくてたまらない気持ちになる。
初めてエリに会った日を思い出していた。
こんなにキレイで優しい女の人がいるんだと思った。
最初はエリのあまりの若さに加奈子の姉だと思ったぐらいだ。
スタイルも抜群で、突き出した胸にクビれたウエスト、大きなパンパンに張り詰めたヒップ。
中学生だった自分にはエリが眩しすぎて、ジッと見つめていることが出来なかった。
自分には手の届かない大人の女性だと思っていた。
すでに加奈子を好きになっていた陸は、エリの中に加奈子の面影を見ているんだと思っていた。
二人は本当によく似ていた。
でもこうして、エリと男と女の関係になって、自分が間違えていたことに気づいてしまった。
自分は加奈子の中にエリの面影を追い求めていたことに。
自分の中で急速に加奈子が色あせていく。
エリだけが欲しい。
そんな自分を戒めなければいけない。
そんなことはわかっている。
でも今、このときだけは、、、
陸はエリを組み敷いた。
本当に愛おしくてエリの黒髪を撫で続けてしまう。
かける言葉が見つからない。
エリはどう思っているんだろう?
子供のくせにと思われているんだろうか?
エリの整った、それでいて優しげな顔をジッと見つめていた。
エリも恥ずかしげに微笑みながら、見つめ返してくれる。
陸は勇気を振り絞ってエリに告げた。
「エリのこと、、、愛してる、、、」
エリの顔がほころんだ。
「わたしも、陸のこと愛してる、、、」
禁断の言葉を口にした二人は、何もかも忘れて求めあった。
つづく
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