陸の年頃の男の子は一番性欲が強いと言ってもいい時期だ。
娘にはああ言ったものの、不安を覚えたエリは加奈子に内緒で陸を呼び出し、その旨を伝え、二人だけで話をすることにした。
今日は夫も仕事で、加奈子も凪たちとコンサートで外出していて夜まで帰ってこない。
エリは陸を自宅に招いた。
あのキス以来、二人だけで会うのは初めてだ。
意識しないようにと思っていても顔が赤らんでしまう。
陸もそれは同じように見えた。
お互いにそれに気づかないふりをして話を始める。
加奈子がエリに打ち明けられたことすべてを包み隠さず正直に話す。
「わかりました。俺、他の女の子とそんなことしません、、、加奈子のことずっと待っていますから、、、信じて下さい、大丈夫ですから、、、」
「よかった、、、陸くんはきっとそう言ってくれると思ってた、、、」
思わず、陸の手をつかみ、握りしめていた。
「陸くん、、、ありがとう、、、、わたし、、、もし陸くんにガマン出来なきないって言われたら、、、、代わりにわたしがなんて、考えていたんだよ、、、」
冗談めかしてはいたが本心だった。
陸に求められたら応える積もりでいた。
「えっ、、、それって、、、」
陸は動揺した。
「陸くんがわたしみたいなオバさんを相手にするわけ無いのにね、、、本当にバカみたいでしょう?」
「そんなことありません、エリさんはすごく若くて、すごくキレイです、、、、、俺、、、エリさんとだったら、、したいです、、、」
陸がエリの手を強く握り返す。
「えっ?」
「俺、あのキスのこと、エリさんに言われたのに、、ずっと忘れられなくて、、、ダメだってわかってるのに、エリさんのことばかり考えて、、、、ごめんなさい、、、」
「ううん、わたしもだよ、、、」
思わず本音を漏らしてしまう。
ずっと陸のことばかり考えていた。
陸のことを想って、何度も自分を慰めた。
きっと陸も自分を想ってしていると考えながら、、、
つづく
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