午前中、二人は公園で過ごした。
人目を気にするわたしに陸は、「別に誰に見られたっていいだろう、、、」と言ってくれた。
その言葉がすごく嬉しい。
二人でボートにも乗った。
水が跳ねて濡れてしまい、二人で大声を出して笑い合った。
楽しく話をしながら園内を散歩した。
加奈子は陸の好みを考えて、躰のラインが浮き出る、豊かな胸が強調される白のニットを着ていた。
胸に注がれる陸の視線が嬉しい。
加奈子の大人びた雰囲気と陸の長身な体型が、二人を大学生のカップルのように印象づける。
手を繋ぐよりも加奈子は腕を組むことを選んだ。
陸の大好きなわたしの胸を陸の腕にいっぱい押し付けたい、そう思った。
陸もうれしそうにしてくれる。
二人は込み始める前に早めの昼食を取った。
チラチラと加奈子の美貌と大人びたスタイルに男たちの視線が注がれる。
加奈子は気にしなかった。
陸が褒めてくれたことだけが嬉しい。
今日の服装も、最近一段とキレイになったと陸は褒めてくれた。
加奈子は昼食を取りながら、昨日から気になっていることを陸に尋ねていた。
「陸、昨日、山吹さんに何か言われなかった?」
「うん、取材が終わったあと二人で話があるって言われてさ、、、」
やっぱり、、、
「それで、、、何の話だったの?」
「付き合って欲しいって言われた、、、」
胸が苦しい、、、
「えっ、、、やっぱり、、、で、陸はなんて、、、」
「もちろん断ったよ、、、彼女がいるからって、、、」
よかった、、ホッとしたし、陸が彼女がいるとハッキリと言ってくれたことがすごく嬉しい。
でも、これがもしわたし達の仲が戻る前だったら?
背筋に冷たいものを感じた。
アブなかった、でもまだ安心なんて出来ない。
「それで、、、彼女、、、簡単に引き下がったの?」
「それがさ、、、山吹さん、彼女ってあの子でしょうって、、、加奈子のこと見抜いてて、、、俺、ビックリした、、、」
「えっ、そうなんだ、、、どうしてかな?」
わたしの態度からか?それとも外見?
とにかくイヤな予感がする。
「そして加奈子のこと、自分に似てるって、、、」
凪たちも言っていた。
わたしなんかよりずっとキレイなのに、、、
でもわたしは絶対に負けない。
「それからどうしたの?、、、わたし全部知りたい、、、」
陸はすべてを話した。
レナは陸を強い瞳で見つめていた。
「彼女、似ているけど、、、わたしの方がいいと思うよ、、、」
「えっ、、どういう意味ですか?」
「わたしの方が、陸のことを満足させることが出来ると思う、、、」
「俺、彼女に満足してます。」
「どんなふうに、、、」
「可愛いし、優しいし、俺のことを大切にしてくれるし、、、とにかく俺にとって最高の彼女です。」
「ふーん、大切にね、、、本当にそうかな?、、、、たとえば、セックスはどうなの?」
突然のあけすけな話に陸は戸惑う。
「えっ、、、それは、、、」
「フフッ、、、満足して無いんでしょう?」
「いいや、、してます、、、その点でも彼女は最高です。」
「本当にそうかな?そう思い込んでいるだけかも知れないよ、、、彼女だって、陸に隠れて何しているかわからないよ、、、」
「そんなことありません。」
「わたし、脱いだらスゴイんだよ、、、」
「えっ、、、」
「わたし全部自信あるけど、自分の躰の中で一番自信があるのは胸なんだ、、、陸なら触ってもいいし、何をされてもいい、、、セックスにもすごく自信ある、、絶対陸を満足させて見せる。」
「どうして俺なんかに、、、」
「陸が好きだって言ったでしょう、、、わたし、どうしても陸の恋人になりたいの、、、わたし、陸のことよく知っているんだよ、、陸が思っている以上にずっと陸のことを知ってる。」
俺のことをよく知ってるって、、、
このとき、少し彼女が怖いと思った。
「わたしのこと信じられ無いんでしょう?でも本気だよ、、、、いいわ、じゃあ一度だけ、わたしを抱いてみない?今からでもいいわ、、、」
「断ります、俺は彼女が好きだから、、、一番大切だから。」
「うん、わかった、、、陸のことだからそう言うと思ってた。」
意外にもレナはあっさりと引き下がった。
「でも気が変わったら連絡して、、わたし待っているから、、、今日はこんなふうになっちゃってゴメンね、、、でもわたし本気だから、、こんなわたしだけど、恋人になったらわたし、つくすタイプだから。陸をすごく大切にするし、セックスも彼女より絶対陸を満足させる自信があるから、、、」
そう言ってレナは帰って行った。
つづく
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