男とラブホテルを出たのは、翌日の14頃だった。
話の流れで夕方から彼と会うと知った男は、
「徹底的に俺のちんぽの形を覚えさせたる」と誘ってきたのだ。
一度この男の老練と
ド迫力を知ってしまった私が断れるはずもなく、
数時間に渡って背面座位で挿入されたまま
ねちこく乳首やクリトリスを愛撫され、
何度も絶頂してしまった。
お陰で待ち合わせ中の
今も男の名残が残っている。
これから彼と会うのにどうしたものか。
悶々としながらしばらくスマホを操作していると、
彼が待ち合わせ場所に現れた。
「ごめん、待った?」
謝る彼の表情と声色はやや硬い。
「ううん、今着いたばっかり」
私は私で取り繕いたいので定型的な返事をした。
彼は硬い様子のまま「じゃあ行こう」と言って
久しぶりのデートが始まった。
絶賛ギクシャク中の私達は初めこそ会話がなかったが、
目的のレストランに着く頃には、
普段と変わりないデートになっていた。
違うところがあるとすれば、
いつもよりちょっといいお店とちょっといい食事、
それと彼からのプレゼントが付いてきたことだ。
プレゼントは私が欲しいと思っていたブランド物の鞄。とは言っても彼には欲しいなんて話したことはない。
驚いて聞いてみると、
職場の後輩を使って探りを入れていたそうだ。
言われてみれば思い当たる節もある。
コソコソ連絡を取り合っていたのも合点がいった。
また、彼はプレゼントを渡した後、
真剣な眼差しでこれまでのギクシャクについて
お詫びをしてくれた。
恋人として同僚としてライバルとして
これからも大切な存在であることを伝えてくれた。
彼の誠実な言葉と態度に心の蟠りが溶け、
幸せな気持ちが溢れてくる・・・ことはなかった。
私は彼を裏切ってしまった。
罪悪感が激しく渦巻いて胸が苦しい。
それなのにあの男が残した名残が熱くなってくる。
罪悪感と快感を完全に紐つけられてしまったのだ。
食事を終えた後、
身体の火照りに耐えかねた私は、
彼を激しく求めた。
それなのに身体に残ったのは寂しさだけだった。
~終?~
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