通知をタップすると黄色いロック画面が開く。
少し緊張した面持ちで顔認証をパスすると、
男とのトークルームが表示された。
『渡すの忘れてもうたけど、これ落としてたで』
『ヤバない?』
男からのメッセージの後には
画像も送信されていた。
画像は私の社員証の写真だった。
やばいどころじゃない。
最低でも始末書、下手したら懲罰委員会行きだ。
一刻も早く受け取らなければ。
血の気が引いた指で
フリックしようとすると、
男から新たにメッセージが届いた。
『エルポートの2階にあるカフェに行く予定やから来てや~。8時30分頃までおれるで』
エルポートは私の会社が入っているビルだ。
わざわざ来てくれるのだとしたらありがたい。
『分かりました、お手数お掛けしてすみません。なるべく早く向かいます』
速攻で返事をするとキッチンに向かった。
そこでスクランブルエッグを無理やり掻き込み、
コップ1杯の水道水で流し込むと、
身支度に取り掛かった。
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