コメントいただき、ありがとうごさいます(*^人^*)
「………」
「………もぐもぐもぐもぐ…」
さっきからずっと枝豆食ってるな…
まぁ仕方ないよね、こんなリア充の巣窟に迷い混んだのだから。
それにしても自己紹介の時は、お仲間がいるなんて全然気づかなかった。
あまりの事態にフリーズしちゃったからなぁ。
目の前の童貞君(仮)は、ボサボサの頭に分厚い黒ぶちメガネ。
俯き加減に枝豆を貪る姿に、私は心から安堵した。
マイナスイオンが出ているようだわ…
「……食います?」
し、しゃべった!
遠慮がちに、枝豆の入ったお皿をテーブルの真ん中に差し出す。
緊張するよね?
オドオドするよね?
分かるよぉ~でも一生懸命話しかけてくれたのね!
「あ、ありがとうごさいます…」
私も負けじと、若干の挙動不審っぷりを見せながら、枝豆をいただく。
「………」
『なに赤くなってるの?』
『だって…こんなキレイな人と…俺、しゃべったことなくて…』
『えぇ~しゃべるだけで良いのかなぁ?』
『わ、nanaさん!?そんなとこ…あ、足で…うぁ』
『あはっ、可愛い童貞ちんぽが、どんどんおっきくなってるわよ?』
『ううっ、は、恥ずかしい…です…』
『ふふ、可愛いなぁ。ねぇ、枝豆ばっかじゃなくて、私のお豆も…食べてみない?』
『nanaさんっ!俺、初めてだけど…もう!!い、いたただきます!!!』
めしあがれーーーー☆
わはは、やっぱり童貞×強気ビッチはテンション上がるわぁ。
はぁ、今夜は童貞君との設定でイメプレしようかな。
*********
「えーほんとに!?」
「マジマジ!」
「意外なんだけど~でも、よく見ると確かに…」
何やらリア充が騒いでおりますわ。
まぁ私達には関係のなきこと。
ねぇ、同志よ…☆
しかし、ガヤガヤと女性陣がこちらに群がってきた。
えっ!えっ!?私達の聖域が…
「航大くんって、T大卒で営業成績トップってほんと??」
「しかもお父様がT大の教授!?」
「学生時代は剣道でインターハイ出場??」
「ちょっとすごいんだけど~」
え、え、え???
幻聴ですか???
童貞君が、そんな神設定なわけないでしょうが。
女性陣に押し退けられ、私は耳を疑う。
「……はぁ、まぁそっすね」
ぼそっと一言、童貞君が頷く。
「え~自己紹介の時に言ってよぉ」
「何でこんなメガネなのぉ?可愛いんだけど(笑)」
「今も剣道してるの?結構ガッシリしてない?」
ど、童貞に…蟻が群がっている…
はっ!そ、そうか!
生粋のコミュ障で、勉強と剣道しかしてこなかったけど、そのスペックだけで女に群がられて女性不信となり、それで童貞を拗らせて今に至る…
か、か、可哀想!!!涙
「やっぱ航大連れてくると、こうなるよなぁ(笑)」
「一気に女の子持ってかれる(笑)」
おいおい、笑ってないで早く助けてやれよ!
童貞君が可哀想だろうが!
あんなに集られたら失神するぞ!!
「まぁ、アイツも来るもの拒まずだからなぁ~」
は?
「こないだの合コン、結局全員コンプしたらしいぞ」
へ?
「まじかぁ~俺狙ってた子いたのに、また撃沈だわ…もぉー!航大いたら彼女できねーよ…」
おぇぇええええ???!!?
「きゃー!メガネ取ったらイケメンじゃん!」
「田村がメガネ掛けて来いって言うから…」
「ねぇ、LINE教えてよぉ」
「いーよ」
「今度飲みに行こうよぉ」
「いーよ」
「このあと…」
「いーよ」
か、軽いーーーー!!!軽すぎるっ!!!
お前がこの中で最軽量かよっ!!!
フラフラと私は席を外す。
ガクンっ…
トイレに着く前に、膝から力が抜けてしまった。
「……な、な、仲間じゃなかった……!!」
むしろ天敵!!
恐ろしい!恐ろしすぎる!!
な、何だこの絶望感…
「あぁ、結局…私、ひとりだけかぁ…」
ホロリと涙が出る。
「何が?」
ふと、後ろから声をかけられる。
ビクッと振り向くと、そこには童て…ヤリチン野郎(改名)が立っていた。
「どしたんすか、こんなとこ座り込んで。もしかして酔ってんすか?」
「……」
「トイレ行きたいんすけど、そこ退いてもらってもいいっすか?てか立てます?」
「……さ、さ、詐欺だぁ~~!!」
無性に腹が立ち、情けなくなり、悲しくなった。
ヤリチン野郎はギョッとしていたが、私は自制が効かない。
「あ、あんたらなんかに…分かんないわよぉ。私がどんな惨めな気持ちか…な、仲間だと思ったのに、どうせあんたも私のことバカにしてぇ~~うぇぇん!!」
「…めっちゃ泥酔じゃないすか…」
「かっ、愛い子と遊んでぇ、エッチして…みんな幸せになりやがってぇ…何なのよぉ!来るもの拒まずなら満遍なくやれよぉ!!」
「あ、高木さんもヤリたいんすか?いいっすよ」
「そうよぉ!私だってヤリたいですよぉ!私だってぇ、私……へ?」
「俺、別にいっすよ。この後、ヤリましょうか」
えーと、皆さん。
解読求ム、解読求ム。
ヤリチン語が私には理解できません…
〈つづく〉
※元投稿はこちら >>