ラスト
「こんなにも素敵な女性と3日間過ごせて幸せでした。もしよかったらこれからも会いたいのですけど…」
私はしばらく黙っていました。悪い人ではないことを重々理解はしているのですけど…それでも、私の中の本能がどうしても受け入れられなくて…私が出した結論は
「ごめんなさい。ともさんがいい人なのは分かったのですけど、私もまだまだ色んな人と出会ってこの人って思う人を探したいんです。」
と…
「そうですよね。今回募集があって選ばれないと思っていたのに、こうして選んで頂いただけでも奇跡ですよね。それに2枚のお写真も頂いたから…。それを見ながらももかさんとの3日間を思い出して楽しみます。無理言ってごめんなさい。」
また沈黙が走りましたけど、私は運転しているともさんの太ももの上に手を置きました。
「3日間ありがとうございました。お陰で楽しい時間と楽しいお話が聞けました。多分もう会うことはないかもしれないけど、私はこの思い出を心に留めて置きますからね。あっ、最後に撮ったお写真メールで送ってね。」
「わかりました。それじゃあ、これ約束の名刺」
やっぱりともさんというのは偽名でしたけど、会席料理屋さんで呼ばれていた苗字は本当でした。私は頂いたお名刺をカバンの中に入れて待ち合わせをした駅のロータリーまで目を閉じて眠ってしまいました。
「ももかさん着きましたよ。」
私はともさんの声で目を覚ましました。やっぱり3日間も一緒に過ごすと情が湧いてしまいますよね。別れるのがなんだか寂しく感じました。私はシートベルトを外すとともさんに抱きつきキスを交わしました。時間にして2、3秒ぐらいでしたけど、3日間の思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡って行きました。唇を離すと私は助手席の扉を開けて外に出ました。
ともさんも運転席から降りてきてトランクを開けて沢山のお土産をいただきました。ともさんが車に乗って走り出し、車の姿が見えなくなるまでお見送りをしました。目には涙が溢れてきました。ほんの少しの温もりを感じることが出来た3日間に私の胸はなんだか熱くなってきました。
改札口の横にある券売機で切符を買い、電車に乗り込むと3日間が嘘のように感じられました。電車に乗っているとメールが届きました。それはともさんからの写メでした。律儀に約束を守るともさんのことは決して忘れることが出来ない私の大切な思い出となりました。
家に着くと私は頂いたお土産の袋を破ってお菓子を食べました。私の大好物の餡のお餅は一瞬にして食べ尽くしてしまいました(笑)これだから私は痩せないんですよね(爆笑)
でも、振り返ってみるとすごくいい人と出会えたことに感謝せずにはいられませんでした。
ももかの3連休の温泉旅行を読んで下さりありがとうございました。エッチなことはあまりありませんでしたけど、それでも最後まで読んで下さった方には感謝です。
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