駅のロータリーで、彼の車を見つけた。
『きょうちん、こっち!』
彼の生きょうちん、を聞いた。
別人になった気分。
「お待たせしてごめんね」
『女の子は、いろいろ時間が掛かるからね』
車が動き出す。
「今日はどこへ連れていってくれるの?」
『車で話しながら、静かな場所へ向かうよ』
「えー、どこどこ」
『山の上にいけば、誰にも会わないから』
うーん、ちょっと違う。
「それ、遠くない?時間が勿体無いよ。私が行きたいとこあるから、連れていってくれるの?ダメかな?」
『いいよ、そこへ行こう』
国道から右折して、少し走る。
目的のラブホが見える。
「あそこに入ろう、誰にも邪魔されず、話出来るから、カラオケもあるしね」
『え、うん』
彼の車は、ラブホの駐車場へ吸い込まれていった。
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