文子がようやく気だるさを吹っ切り上半身を起き上がれたのは、浩紀が帰ってくる20分ほど前の事だった。
部屋を換気するために、窓と言う窓を全て開け放ち、服を着終えると、ソファに体を委ねた。
ずっしりと何か重いものが圧し掛かっているかのように、体は重いが、指先はまだ震え、体の端々が痙攣しているのは分かる。
「子宮が疼いている」
隼人が放った言葉は嘘ではないのだろうが、実際に言葉にされてみると、文子は隼人が今この場にいないことを少し恨んだ。
SEXそのものに夢中になったのは、隼人が初めてだった。
元愛人は感情的にも経済的には繋ぎ留めておくための行為でしかなかった。
浩紀は出来たが、子宮が疼いていたかと言われたら、そう言いきれない。
そんな事を、浩紀が帰ってきた後もぼーっと考えているうちに、文子の中で一気に隼人の存在が大きくなっていることに、ふと気づいた。
浩紀が寝た後、文子は電話を手に取り、じっと見ては、また置くという事を何度か続けていた。
「今、あの人は…」と心の中の声を思わず口に出して呟いてしまった。
全てを振り払うように、寝室のベッドに潜ったが、逆に隼人の事を考えてしまい、体の奥底から熱くなっていくのを感じていた。
あんなに昼間されたのに…
所々、記憶は飛んでいたが、昼間の行為が頭の中で蘇ると、体が熱くなる早さが増して、火照り始めた。
子宮の辺りにパジャマの上から手を置いて、隼人に何度も言われた。
「子宮が疼く」という言葉を実感しているうちに、その手がパジャマの中にゆっくりと差し込まれていった。
陰唇に指先が触れた時に、軽く痙攣しているだけでなく、まるで隼人のを求めているかのように、キュウっとそこを開けたり閉めたりしているような感じがして驚いた。
頭の中であえて隼人に触られていることを想像すると、その動きが無意識に早くなっている気がした。
それが分かった文子は本当に子宮が隼人を求めていることを自覚したが、昼間の事もあり、睡魔には勝てず、パジャマに手を突っ込んだまま寝入った。
※元投稿はこちら >>