「ただいま~」
浩紀が玄関に入ると、見慣れない靴があった。
(そうだ…今日はあの日だ。)
内心思った浩紀はリビングに入った。
そこには、母の文子ともう一人男性がいた。
「こんにちは。」
優しさがあり、元気もある声に浩紀は好意を抱いて、挨拶を返した。
文子は少し障害のある浩紀の教育に悩んでいた。
相談すべき、夫はいなく、文子はとある男の愛人と言う立場で、子供が生まれてからは、愛人関係は解消されてしまったが、
住む場所を与えられ、生活費も2人にとっては十分すぎる程の金額が毎月振り込まれていた。
子供が同じ障害を持つコミュニティに同様に通っている他のお母さんから紹介されたのが、
今リビングで爽やかに挨拶を交わした隼人だった。
隼人は大学時代に塾講師のアルバイトをしつつ、家庭教師もやり、人にものを教えるのが得意で、さらには子供好きで、
子供からも好かれる人柄だ。
その家庭教師先の母親がいたく隼人を気に入り、自分が持っていたアパートを改築して、出資し、まだ大学生だった隼人に個人塾を経営させてみた。
今ではその塾も3教室程になり、塾の運営はそれぞれの責任者に任せ、隼人自身は家庭教師をしたりしている。
浩紀はすぐに隼人に懐いた。
隼人は時にはかなり厳しかった。それは母親である文子には出来ない、男らしさと文子は好意的に受け止めた。
実際に、浩紀は隼人の厳しさに食らいつくように勉強を頑張り始めた。
学校生活でも変化があり、それまでは朝と帰りの時間しか、普通の教室にいられなかったのが、2時間目まで、午前中まで、さらには5時間目までと徐々に伸びていき、
文子はものすごく喜び、隼人への信頼が日に日に増していった。
そして、その信頼がついにゆるぎないものになったのは、隼人なりに色々と浩紀の障害の事を調べ、
それが教育者の端くれとして、どういう教育をしたら良いのかというのを、ノートにまとめて文子に渡した時だった。
文子はそれまで一人で背負ってきたものを、一緒に背負ってくれる人が見つかった事への喜びで、
涙を流した。
ある時、隼人が帰ろうとしたときに、浩紀が泣きわめいて、止めに入り、仕方なく、浩紀が寝るまで一緒にいることになった。
文子は恐縮しきりだったが、それでも隼人が嫌な顔を一切見せないことに、さらに恐縮してしまった。
浩紀が寝てしまうと、文子はお茶でもと言いながら、出したのはビールだった。
リビングのソファに並んで座った二人は乾杯をし、しばらく会話をした後で、唇を重ねていた。
文子は30代前半、隼人も20代後半で浩紀の父親よりも文子とは年齢が近い。
さらに大きな信頼を寄せる、隼人から求められるがままに、文子は唇を捧げた。
舌を絡ませあっているうちに、隼人の手が文子の服の中に入り込んだが、受け入れた文子は、その手がさらに自分の敏感な所に
触りやすいように体を少しずらした。
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