「塔子~帰りご飯食べて帰らない?」
「あ、えーと…今日はちょっと…ごめん、また今度で…」
「なになに、もしかしてデートぉ?」
うふふとみなみちゃんが笑うと、近くのデスクからプッと吹き出すように笑われた。
来島くんの取り巻きの中心、白沢さんだ。
「あ、ごめぇん。何か榊さんってそういう話全然聞かないからびっくりしちゃって(笑)」
クスクスと他の取り巻きもおかしそうに笑っている。
「あはは、別にデートとかじゃないから~」
腹が立つのに、本人を目の前にするとついヘラヘラしてしまうのは私の悪い癖だ。
「そうだよねぇ、デートならそんな普通の格好じゃなくて、もっとおしゃれして来るよね~」
「ふ、普通の…格好」
私はこの春初めておろした、綺麗なすみれ色のスカートの裾をぎゅっと握った。
「ったく、白沢のやつムカつくわぁ。来島くんがいないから、いつもの100倍ウザイわぁ~」
「うぅ、みなみちゃんのそーいうとこ好き。
私以上にムカついてくれてありがとう…」
「来島先輩の前では可愛いキャラでいてくれますけど、いないから当たりが強いですよね…」
みなみちゃんと、後輩の堀ちゃんと3人でオフィスを出る。
「塔子と来島くんが付き合ってるかもって噂が流れた時、露骨に嫌がらせされたもんねぇ」
「そうそう!噂の段階であれだから、本当に付き合ってることがバレたらどうなるかと思いましたよ~」
そう。白沢さんはずっと来島くんを狙っている。
来島くんと一緒に帰ったことで私は彼女の反感を買い、さりげなく仕事を押し付けられたり、小さなミスの責任を被せられたりした。
堀ちゃんの言う通り、付き合っていることがバレたらもっとひどいめに遭うかもと思ったが、そんなことどうでも良いと思えるくらい、来島くんの傍にいられることが幸せだった。
それなのに…
「来島くんもさぁ、良い人だと思ってたのに結局はああいう部類の人間ってことなのかしらね」
「やっぱり性格の良いイケメンなんて都市伝説なんですよ!」
あの日の、休憩ラウンジでの会話が頭の中で蘇り、胸がチクリとする。
「じゃあね、塔子。今度は付き合ってよ~」
「塔子さん、お疲れさまでーす」
「うん、またね」
ふたりと別れて、早歩きで家路を急ぐ。
ガチャンッ、バタンッ
「ただいまっ!」
少し息を切らしながらドアを開けると、来島くんとコニーちゃんが声を揃えて「おかえり~」と出迎えてくれた。
来島くんはSサイズのTシャツとジャージを購入したらしい。
まだだいぶ大きいが、それでも今朝の服よりはマシだ。
「コニーがレディースに連れていこうとするんだよ!ひどくない!?」
プリプリと元気そうに怒っている姿を見て、ほっとした。
だけど、このまま何もせず過ごすのは彼を「放置」しているのと同じだ。
いつ、どんな形で来島くんに異変が起きるか分からない。
でもやっぱりセックスは気が引けるよなぁ……
「うーん」と唸りながら夕飯の支度をする。
「…なぁ、本当にやんなきゃダメ?榊のこと怒らせたくないんだよ…」
〈このまま待ってても何も進まないでしょ~〉
「そうだけど…俺、やっぱ恥ずかしい…」
〈往生際が悪い!〉
「……はぁ、分かったよ」
コトコトコト…
「来島くん、そろそろ出来るから机片付け…え?」
私が味噌汁をよそおうとしたら、来島くんは急に左腕にしがみついてきた。
「ど、どうしたの…危ないよ?」
さらにギュウウッと来島くんは力を込め、すりすりと頭を寄せてくる。
「えっ、なに、どしたの?」
「俺…榊と…その…」
「へっ!?ちょっと…え…」
「あの…お、お願い………お、お…おお…」
「お、お?…え、なに?」
顔を上げた来島くんは真っ赤になっており、もじもじと何か言おうとしている。
「…お、お姉ちゃん…俺、お姉ちゃんとエッチなことしたい…」
「っっっ!!!」
ガチャリ。
開けてはいけない扉が、思いきり開いてしまう音がした。
********
『はぁ!?そんなこと絶対言いたくねぇ!』
《塔子ちゃんは、来島くんとエッチすることに抵抗があるのよ?なんせフラれた相手だもんね~》
『うっ…』
《だから、最初はできるだけ「来島くん」ってことを意識させない方が良いと思うの!13歳になりきって、可愛くおねだりしてごらんなさい!》
『そんな…無理だって。子どもとヤルって方がハードル高いだろ…榊に通用すると思えないけど』
《あなた今日服買いにいって、何回周りに声かけられてたと思ってんの?自分のショタ力を信じて、塔子ちゃんの母性をマックスまで駆り立てなさい!》
『…嬉しくねぇ…』
《言っとくけど、呪いは止まってるわけじゃないのよ?じんわりと継続してるんだから、このままエッチしないとあと3日もしない内にもっと若返っちゃうよ!それでも良いのぉ~?》
『…それは困る』
《じゃあ頑張れ!男の子でしょ!
全身全霊でおねだりすれば、あの子の性格上断れないと思うのよね~》
『お前…やっぱ悪魔なんじゃ…』
《失礼ねぇ~私は「アドバイザー」でもあるのよ!》
「く、来島くん…ちょっと…1回離れよっか?」
「…やだ」
来島くんの突然のおねだりに私は身動きが取れず、今は前から抱き付かれた状態で固まっている。
「やだって…あの、来島くん…」
「…エッチしてくれるまで離さない」
〈ぷぷぷ(笑)来島くんも吹っ切れたね~こんなに可愛くおねだりできるなんて上出来よ♪〉
「…うるせぇ、コニー」
来島くんは真っ赤になってコニーちゃんを睨む。
「コニーちゃん!どうにかしてよぉ!」
〈どうにもなんないよ~
塔子ちゃん、来島くんがこーんなにお願いしてるんだから、そろそろ応えてあげたら?〉
「そんなぁ…」
「コニー…お前、絶対のぞくなよ…」
〈そんな野暮はいたしません~♪〉
グイッと私は来島くんに手を引かれ、寝室に連れ込まれた。
抵抗する間もなく、ベッドに押し倒される。
「うぐっ!わ、来島くんまって!」
「ごめんな…元に戻ったら、ひっぱたいてくれて良いから…」
「えっ…んっ…」
くちゅ、ちゅっちゅ…むちゅ
来島くんに何度もキスをされ、首筋に舌が這う。
「っや…あっ…あう」
首筋は弱い。初めてセックスした時にも、からかわれるように何度も責められた。
小さな手が服の中に入り、ブラがずらされていく。
「ひゃっ!あっ…だ、ダメぇ」
細い指が私の乳首に触れていく。
目の前にいるのはどう見ても子どもなのに、慣れた手つきでどんどん服が脱がされていく。
力では敵うはずなのに、抵抗できない。
チュプッ、ちゅう…チュッ…
固くなった乳首を吸われると、私の身体はビクビクと反応してしまう。
「…可愛い」
来島くんはそう言いながら、Tシャツを脱ぐ。
細い腰、華奢な腕。
未発達なその身体は、まさしく「少年」だ。
「や、ヤバイよこんなの…やっぱダメダメ!無理だって!」
「………どうしてもダメ?」
来島くんを見ると、頬を赤らめて少し泣きそうな顔をしている。
「~~~!!」
「俺…こんなになっちゃってる…助けてよ」
私の身体に、来島くんの固いものがあたる。
「えっ!こ、子どもなのにこんな…」
「子どもでもエロいことしたら勃つよ。
…榊に…いや…お、お……お姉ちゃんに……入れてもいい?」
「そ、その呼び方やめてぇ…恥ずかしいからぁ!っあ!やぁ…」
彼の指が私の中に入ってくる。
クチュっ…ぐちゅぐちゅ…
「…お姉ちゃん、グチョグチョになってるよ」
耳元で囁かれながら、細い指が何本も中で動いており、私は声を押さえることができない。
「っあぁ…や、ダメ…んぅっ」
「俺ももうダメ…ごめんね、入れさせて…」
ジャージを脱ぐと、まだ小さめのペニスが苦しそうに勃起している。
「や…あ…」
ツプンッと私の中に入ってくる。
小さくてまだ奥に届かないが、それでもこのまま突かれたらヤバイかもしれない…
そう思っていると、来島くんはピクリとも動かず、小さく震えている。
「……な、んだこれ…や、ヤバ…うっ…うぁぁ」
「…来島くん?え、だ、大丈夫!?」
「わっ!動くな!ダメっ…う、あっ…ああぁ…っ…ぅあぁ」
「え…」
彼はビクビクと射精してしまった。
〈そろそろ終わったぁ~?あ…察し(笑)〉
私たちは背中合わせで、どんよりとうなだれている。
(うぅ…泣きながら射精させてしまった…いたいけな少年を犯してしまった気分…ヤバイぃぃ…ごめんなさいごめんなさい…)
(あんなに恥ずかしい思いしてやっとセックスに持ち込んだのに、入れただけでイクとか…何これ死にたい…)
ふたりして暗い顔でブツブツ言っていると、コニーちゃんが笑いながら来島くんの頭に座った。
〈来島くんってば何落ち込んでんのよ~
13歳の時なんてサッカー三昧でオナニーもろくにしてなかったのに、そんな身体で突然入れたらすぐイッちゃうに決まってるじゃない〉
「そんなこと…何も教えてくれなかったじゃねぇか…」
真っ赤な顔して半泣きになっている。
〈でも気持ち良かったでしょ?
うふふ、明日になったら1~2歳は戻ってるわよ~〉
「1~2歳…」
「そんな…あと何回すれば…」
〈知らなーい♪〉
「こ、の…ポンコツ!それぐらい分かれよ!」
「いやぁぁ~頭おかしくなっちゃうぅ~」
「っ!!ご、ごめん!榊~本当ごめんなぁ…」
「わ、私に近づいたらダメよ!来島くんを汚してしまうぅぅ~」
「そんなことない!そんなことないから、な!?大丈夫だから!」
こうして未体験の背徳感に襲われながら、第1回目のセックスは無事に(?)終わることができた。
つづく
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