珠緒は「考えておくね」と言った。俺は冗談のつもりだった。翌月の始めの朝礼で部長が「今日から新しい子が中途採用されて、我が部署に配属されました…木村君」と言って呼んだ。俺は驚いた。珠緒だった。珠緒はしれっとした顔で「木村珠緒です…頑張りますので御指導の程宜しくお願いします」と挨拶した。部長は「じゃぁ宜しく…教育係として…葛西係長にお願いする…指導してくれ」と言った。俺は「はぁ…」と気のない返事をした。珠緒は俺の部下になった。「葛西係長…宜しくお願いします」と言った。俺は「葛西翔です…」と言った。珠緒の席は向かい側だった。俺は社内を案内をした。「何で?」と聞くと「だって翔君がウチに来るかって言ったから」と言った。「だからって相談も無しに…」と言うと「嫌?」と聞いた。「嫌じゃないけど…驚いたよ…」と言うと珠緒は小悪魔的な笑みを見せた。俺の居る企画部から営業部、技術開発部、経理部と挨拶廻りをし顔合わせをした。皆「宜しくっ」と言い「葛西っ…苛めるなよ」と言った。
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