玄関を開けると母は「家に居てくれて良かった…アンタ電話しても全然掛けて来ないんだから」と文句を言いながら靴を脱いだ。母は歩きながら口早に喋った。母の悪い癖だった。「今日来たのはね…アンタにお見合い相手見つけたのよっ」と言った。俺は「ええっ!?…何で?」と言うと、母はキッチンに行き荷物を置きながら「アンタちっとも彼女連れて来ないじゃないっ…だからお母さん見つけて来たのよっ」と言って、自分家の様にキビキビと動くと、自分でコーヒーを淹れた。俺は完全に珠緒を紹介するタイミングを失った。母は一口飲むと「相手はね…〇〇さんの所のお嬢さんよ」と言い「あそこのお嬢さん…もう28なんだって」と言った。俺は「ちょっと黙ってっ」と言った。すると今度は「何よっその口の聞き方はっ」と怒り「アンタの為にどれだけ苦労したかっ」と言った。俺は「ちょっと俺の言い分も聞いてよっ」と言い俺は居間に居る珠緒を連れて来た。母は「あらっ…誰?」と言ってようやく黙った。
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