そしてその女は日に日に様子がかわっていったのだった。
その新興宗教にのめりこんでいる人間がいるのは、この地域柄珍しいことではない。奈良県の〇理市に〇理教があるように、西東京のこのエリアには、あの〇会があるのは当然の事だった。
ただ女に後で聞いたところによると、〇会に入っておかしくなったのではなく、おかしくなったので〇会の勧誘に応じてしまった。といっていた。
まぁ俺は別に〇会をどうこう思ってないので、どっちが鶏で卵かはどうでもいいのだが、ただ心配なのは、その上の住人である女の事だった。
ポストもあの機関紙である〇〇新聞を、おそらく読んでもいないのだろう。数日分がポストの中に押し込まれているし、深夜の4時くらいに起きて「南無〇〇〇〇〇!!!」と題目をあげらるのはさすがに勘弁してほしかった。
そんな生活が、それからさらに3か月続いたのだった。
なので計算すると、女が引っ越してきて9か月目くらいの今から1年3か月前の話。その時に女が俺にアクションをかけてきたのだった。
それは何の変哲もない日曜日、いきなり家のドアがノックされたかと思うと、女がその新興宗教団体のパンフレット(けっこうびっしり文字が書かれており、政治的な内容のもの)を俺に手渡してきたのである。
「よかったら読んでみてください^-^」という具合に、婦〇部というのか、年増のオバサンに連れ添っての事だった。俺は「ああ、どうも」と受け取り、すぐ玄関先に置いたままにしておいたが、それから数日後、また女が「あのパンフ、読んでくれましたか?」とまた訪問してきたのである。(宗教のこういうところはウザったいよね)
俺は「あー、軽く目を通したけどね」とウソをついたら、「具体的にどういう考えをお持ちですか?」等と食い入ってくるのである。
そのころは雪が降って道路わきにはまだ雪が残っているような寒さの時だったので、俺は「中はいる?外寒いでしょ?」と、別にこれといって下心なく、別に上の住人なのでそこは普通に家の中に誘ってみたのだった。
女は「じゃ、少しだけ上がらさせていただきます」と靴を脱いで、俺の部屋に入ってきたが、女は「1階のほうが広くみえますねー」とか周囲を眺めながらそんな事を言っていた。俺は「何もおいてないからじゃないかな」と答えた。確かに俺の部屋はあまりゴチャゴチャしたものは置いていない。
それから俺と女は、畳の部屋の真ん中に2人座って、二人の間にはあのパンフレットそしてアンケート用紙が置かれていた。
俺はその場で初めてパンフに目を通し「〇〇党はこんな社会を実現します!」みたいな、そんなマニュフェストを見て、「まぁいいことだよね」と俺は女に言ってみた。
それから女から、〇〇党の実績や、〇会はどれだけ素晴らしい組織であり、偉大な〇生の指導のもとに生きていたら人生が開けていく等、俺にとってはもう慣れているお決まり文句を言ってきたのだった。
いわゆる折〇っていうやつである。そして最終的に、「私じゃまだまだ伝えれない事があるので、よかったら〇〇という人がいるので会ってくれませんか?」と幹部の名前を出してきたのである。
俺は「あのね、そこまで熱心に活動するのはいいことなんだけど、まず組織の事じゃなくて、あなた自身の事はどうなの?最近生活できてる?」と俺は逆に質問した。
なぜならここ半年間、ずっと家賃を期日通りに持ってこなかったり、あるいは2か月に1回まとめて持ってきたりしていたからである。
しかし女は「人生はよくなった。〇会に入ってから視野が広がった」の一点張り。家賃とかは私がちょっと忘れっぽくて持ってこれない時もあったけど、〇会はそんな私を正しく鍛えてくれている。などと、悪いのは自分。〇生や〇会は悪くない。と言ってくるのだ。(俺は別に〇会の批判なんて一切してないが)
そして女は論戦だったら、足元見られる。なら・・・。と思ったのか、今度は色仕掛けで来たのである。
俺は〇会というのを知っているが(なぜなら俺の実家が〇会だから)勧誘行為の中に色仕掛けをしてくるというのは今まで聞いたことがない。
おそらく女のオリジナル殺法なんだろうけど、女はいきなり、、今まで足を崩した正座(女の子すわり)をしていたが、俺にアンケートという名の署名をもとめてくる時に、紙とペンを俺に差し出すために少し前進するやいなや、普通にしゃがんだような態勢になったのである。
「ここに名前を書いてください。」と指でアンケート用紙の署名を説明してくるとき、女はミニスカートだったので、俺の視界にはストッキングごしに見えた薄紫色のパンツが見えたのだった。
俺はこの署名を書こうと、書くまいと、この女のすぐ下に住んでいる以上、勧誘がなくなる事はないと思った。(というか、そういう組織なので)なので仕方なく俺はその署名用紙にサインをし、「これでいい?」というと、相手は「ありがとうございます。」と喜んでいた。
すると女はこんな事を言い出してきたのである。「もし、署名してくれなかったら、いつも私のパンツをとっては返してしている事、言おうかとおもっちゃいましたw」
つづく。
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