ホテルという文字が僕の目の中に飛び込んできた。
日が落ち始めた夕暮れに色とりどりの電飾が光輝いている一軒のホテルが目の前にあった。
僕はウインカーを出し、ホテルと書かれた看板のある駐車場の中に車を進めた。
暖簾で中がわからなかったが、意外と車の台数が多いことに驚いた。
僕は車を停めて運転席から急いで降りて、助手席側に回り扉を開いた。
彼女はそれでもまだ身体に力が入らないのか、リクライニングシートに持たれたままじっとしていた。
「直さん、、、脚に力が入らなくて、、、それに、、ここは、、、」
耳まで真っ赤にしたゆかりは僕と目を合わそうとはしなかった。
「僕はゆかりをもっと気持ちよくさせてあげたい。ゆかりの初めての人に僕はなりたい、、、ゆかり、、、あの日君を見たときから感じていた、、、好きです、、、ゆかりのことを心の底から大好きです、、、」
彼女は僕の言葉を聞いて顔を下に向けて俯いてしまった。
しばしの沈黙が僕の心臓を速くさせていった。
彼女はゆっくりとリクライニングシートから身体を起こし僕の首の後ろに両手を回した。
僕の顔に彼女の顔を近づけてきたかと思うと彼女はそっと僕の唇にその柔らかいものを重ねてきた。
舌が激しく僕の口の中に入ってきた。
絡み合うという言葉がぴったり合うほど彼女は舌を僕の口の中で動かしていった。
彼女は唇を離すと、
「直さん、嬉しいです。私も直さんのことが大好きです。ゆかりを気持ちよくさせて。そして、ゆかりを幸せにさせて下さい。」
と僕の目を見つめながら話してきた。
僕はその返事の代わりに彼女の唇に自分の唇を重ね貪るように彼女にキスをした。
彼女もそれに答えるように舌を絡ませてきた。
彼女が処女であることが嘘かと思うほど官能的で情熱的なキスだった。
彼女はゆっくりと車外に降りてきて僕と向き合いながら抱き合った。
「直さん、ゆかりのことをずっと愛して下さい。行きましょう。直さん。」
その言葉に僕は胸が熱くなった。
これから迫り来る快感をゆかりはまだこの時は知る由もなかった。
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