ある会社の思い出53
移動19
乾燥機で乾かしてくれたシャツ、ズボン、パンツを全部着て、挨拶をして帰ろうとすると、吉田さんの奥さんはキッチンに造り付けの戸棚に手を伸ばして、チョコか何かが入ってた空の紙箱を取り出した。
それから冷蔵庫を開けて、保存用のビニール袋に入ったビスケットを全部並べて入れてくれて、僕に手渡した。
瑠璃
「はい、おみやげ。お引越しして、どこに行くの?」
僕
「名古屋です」
瑠璃
「それじゃあ、名古屋でこのビスケット食べてね。わたしのおっぱいから絞り出したミルクで作ったのよ。栄養いっぱいの、、、」
そう早口で言って頬を赤らめた。
「もし、よかったら、食べながらわたしとのSEX思い出してね」
僕
「そうします」
他の女性からは感じられない優しさを吉田瑠璃に感じた。
惚れてしまいそうになる。
瑠璃
「もう、この街には戻ってこないの?」
僕
「いえ、父がこの近くの町に住んでるので、来ることになると思います」
瑠璃
「このマンション、ローンで買ってるの。だから、わたし長く住んでると思う。
ほんとうはね、毎日、おっぱい吸って欲しいし、抱き合いたいけど、もう無理だから、、、
また寄ってくれたら、うれしいな。」
僕
「そうします。
瑠璃さんの優しさ、忘れません」
なごりおしそうな表情を浮かべるので、もう一度、吉田瑠璃とハグした。
ハグしてる間も、彼女は僕の逸物をジーンズの上から握ってくれた。
(こんなことしてたら、ずっと引き止めちゃうわね)そんな心の声が聞こえた気がした。
気持ちを吹っ切るように彼女から体を離したところで、僕もなごりおしかったけど、お別れした。
マンションのエレベーターの中で携帯の時間を見ると、もう午後5時に近かった。
今夜、小倉駅から出る名古屋行きの夜行バスは深夜11:00。
ツアー会社が組んだ臨時便。
数日前に予約しておいた。
まだ、時間に余裕はあるけれど、小倉まで出ておきたかった。一度、アパートの部屋に戻って、貴重品をまとめておいたボストンバッグを押し入れから出して、部屋を出た。
電車の中で、携帯が鳴った。
美奈代さんからだった。
電車の中だけど、なんなのか気になったので、電話に出た。
美奈代
「もう、お引越ししたの?
もう、名古屋?」
僕
「いいえ、まだです。今夜の夜行バスで名古屋に向かいます」
美奈代
「そうなんだ、、、、夜行バスはどこから出るの?」
僕
「小倉駅前」
美奈代
「あらっ、偶然。
わたし、今、小倉まで出てるの」
僕
「そうなんですか」
無表情な声で答えたけれど、なまめかしい、ちょっとかすれた美奈代さんの声を聞いてるうちに、毎夜毎夜、父に弄ばれる全裸の美奈代さんの姿が浮かんできた。
美奈代
「もし、よかったら会わない?」
僕
「そうですね、、、」
美奈代
「何時にしようか?」
前のめりに聞いてくる。
彼女は僕を欲してる。それがわかった。
僕
「今夜、父はどうしてるんですか?」
美奈代
「お父様は体育部の飲み会。そんなこと心配しないで、、、
ねっ、会おう。
わたし会いたいな」
僕
「会いましょう。商店街にセイダリアってイタリア料理のお店があるでしょう?
あそこで6:30」
美奈代
「今夜は奢るわよ、もっといい個室の和食のお店知ってるけど、、、
でも、わかりにくいところだから、今夜はセイダリアにしよっか、、、」
僕
「それじゃ、6:30にそこで」
電話を切った後に、ちょっと僕はせつなかった。
もし会えるなら、村田悠美に会いたかった。悠美さんと愛情を確かめ合いたかった。
それに比べて、美奈代さんはしょせん父の若妻。
彼女と会うと父への嫉妬や怒りで苦しくなる。
それがかえって僕のなかの激しい欲情を呼び起こしてしまいそうだった。
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