ある会社の思い出102
社員寮34
僕は快い倦怠に包まれながら、スイッチを切って、まだ拾っていた佐久瑠衣美の部屋(202)から流れ出している音を遮断した。
部屋に静寂が戻った。
モニターが並んだ壁に背をつけて、荒い息を吐いていた真知子が、ちょっと怖い形相で睨んでいる部屋のモニターがあった。
それは、この301号室の風呂場横。洗面台のある空間で、杉原美久がヘアドライヤーを置いて、化粧液や乳液を顔に塗ったりタッピングしてる。
(真知子)
林葉さん、急いで戻らないと、美久が着替えて居間に出てくるわよ。
彼女、下着つけないことになってる。だから、もう、、、
真知子はそう言いながら、立ち上がり、ワンピースの裾を手で伸ばす仕草をした。
真知子は立ち上がるとすぐに、「この部屋を出る前に林葉さんに急いで伝えなくちゃいけないことがある」と僕に向かって言った。
(真知子)
このモニターは実は隠し撮りじゃないの。隠し撮りなんだけど、隠し撮りじゃない。
(僕)
どういうこと?
(真知子)
ここに住み始める時に、全員、承諾書書いてるの。自分たちが暮らしてる様子を後から入るはずの素敵な男性社員に覗かれることを、、、
(僕)
それはどういうこと?
(真知子)
女性だけの会社に入ってみたけど、どうしても馴染めなくて、会社に行けなくなっちゃった社員さんばかり住んでるの、この寮は。
もう少しはっきり言うと、女性が嫌い、もう男性が近くにいないとおかしくなるようなタイプの人たちが間違って入社しちゃった。
わたしを含めて、5人全員、そういう人達なの。
みんな年頃の熟れた自分の体を持て余してる。今、林葉さんが覗いてた佐久瑠衣美も、そういう女性なの。男のからだの事ばかり考えて、AV見てオナニーばかりしてる。
黄金原社長が見るに見かねて、そういう女性達だけ集めて、このシステムを開発したの。
みんな在宅勤務。会社に行かなくていい。そのかわり、ただひとり、このマンションに住んでる男性社員にお部屋を覗かせて、その男が好きな時に、受け入れるの、、、自分のからだを開いて、、、
だから、はじめからそういうのを嫌いそうな美久ちゃんだけには、この話、全部隠してあるの、、、そのかわり、あなたに奉仕していちばん愛されるようなポジションにつけたの、、、黄金原社長って、凄いでしょう?
だから、林葉さん、女の子たちのお部屋をモニターで覗きながら、オナニーなんてしてなくていいのよ。
見ていて、今、愛したい、今、その部屋に行きたいと思ったら、そのままお部屋に行ってください。女の子たち、みんな無防備なはずよ。ブラはしてることもあるけど、基本、パンティーつけてないから、、、
それに美久ちゃんと同じジェル使ってる。だから、林葉さんが中出ししたければ、もうそのまま出しちゃっていいのよ、、、
(僕)
でも、美久ちゃんを裏切れないかも、、、
(真知子)
どうかしら、、、そんなことよりも、美久ちゃんにとっていちばん大切なのは、林葉さんに1日何回優しく愛されることなんじゃないかしら、、、
あっ、もう出ましょう。
美久ちゃんが紺色の事務服を着始めてるわ。
真知子に促されて、僕は急いで部屋を出た。
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