奈緒子はいきなり「ごめんなさい」と謝った。「何故七海をあそこに?」と聞くと奈緒子は経緯を話した。七海がS3の時、父親が他界。僅かな財産は葬儀の費用等に使われすぐに底をついた。奈緒子はパートを掛け持ちして、働いたが物価の上昇等の波に飲まれ追いつかなくなった。そして最後はサラ金に手を出してしまい、高い利子を返せなくなった。と奈緒子は言った。奈緒子は七海と心中まで考えたそうだ。寝ている七海に手を掛けようとしたが、その時友達から電話があり思い留まったと言った。七海を置いて行ったのは七海と一緒にいてはまた同じ事を繰り返すと思った事と、七海の将来を奪う事は出来ないと思ったと、涙ながらに話した。そして最後にまた「ごめんなさい」と謝った。七海は聞いている間一言も言わなかった。俺は「今はどうなんですか?」と聞いた。「今はそのサラ金の会社は警察の強制捜査を受けて潰れて、私の借金も無くなりました」と言った。
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