翌週すずの家に行った。すずは俺が来ると「お母さ~ん来たよ~」と言った。すずの母親とちゃんと会うのは、中学卒業以来で3回目だった。母親は奥から出てくると「こんにちは…母の貴子です」と言った。「お久しぶりです…宮本晃です」と言うと母親は俺の顔を見て「あ~っ!!宮本君ね…すずの同級生の…」と言い思い出した様だった。すずの母親は家の母と違い、おしとやかで美人ですずと似ていた。俺は買って来たケーキを渡すと「まぁ気を遣わせちゃって…ありがとうね…どうぞっ」と言った。初めてすずの家に上がった。すずに居間へと案内された。「お父さん…晃君が来ました」と言った。父親と会うのは初めてだった。俺はかしこまり新聞を読む父親に「初めまして…宮本晃です」と頭を下げた。「君が晃君か…頭を上げて」と言われ上げると思わず「あっ!?」と声をあげた。そこにいたのはよく行く釣り場の堤防で会うおじさんだった。父親も「あっ!?」と言った。「えっ?親父さんがすずの父親?」「君がすずの彼氏か?」ほぼ同時に言った。
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