リビングの掘り炬燵に母以外が席に着いた。テーブルの上には生まれてから今まで、見たことのない肉が用意されていたのに俺は驚いた。母が切った野菜を持って来て「今日はすき焼きですっ」と自慢気に言った。俺は「いつも豚肉かもっと安い牛肉なのに…」と言うと「今日は晃が彼女連れて来たからお祝いで黒毛和牛です…オホホ」と言い「すずさんの所じゃ食べ飽きてるかしら?」と言った。俺は母の言葉と言葉使いに嫌みを感じカチンと来たが、すずは「いえっ…すき焼きなんて久しぶりです」とにこやかに返した。夕食が始まった。母が肉を食べると「黒毛和牛なんて久しぶり…美味しいわねぇ」と言った。俺はすかさず「食った事ねぇくせに…」と言うと空気が固まった。「やぁねぇこの子は…オホホ」と言った時、俺はキレた。「はぁ?何だよその笑い方や言葉使いは…気持ち悪ぃな…もっと普通にしろよっ」と言うと父が「何だ晃っ…母さんの気持ち考えろっ」と怒った。しかし俺は言った。「何見栄張ってんだよっ…すずが地主の娘だからか?」と言った。
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