グループ”女豹“を追え その8
俺の上で美冬嬢がぐったりとして、もう10分近くになる。
流石に心配になった(一応敵同士だが)俺は彼女に声を掛けた。
「美冬さん、しっかりしろ、 聞こえてる?」
美冬「ん~、あっ、 はぁ~いぃ きこえてますよ~」
彼女は俺との結合を解いて、ふらふらと起き上がって後ろへ退いた。
すると、何かの拍子でつまづいて床へ、ドスンっと尻餅をついてしまった。
股間に見えるワレメから俺の精液が、ぷっくりと顔を覗かせている。
美冬「あ~ぁ、 しっぱいした~」
などと言って起き上がり、自分のドレスとランジェリーを持って出口の方へ向かった。
すると急にこちらを振り返って俺に向かって語った。
美冬「貴方とは、もっと前に会いたかったなぁ~」
「こんな形じゃ無くってね」
「悔しいなぁ~」
「美冬さん、・・・」
美冬「あそこにカメラがあるでしょ」
「あれで全部見張られてるの」
「ママに!」
「ママ?」
美冬「そう! ぜ~んぶ」
「それじゃ、さよなら~。 また、会いたいな」
そう言って彼女は去って行った。
その後、俺は入って来た女達に縛りを解かれて、着換えを渡されて、その場で解放された。
外へ出ると、そこはクラブ舞台の入ったビルの裏口であった。
俺は今、誰も居ない特命課の中でぐったりとしている。
一体、あの人は何処に行ったんだ?
そんな事を考えていると、杉山さんと鑑識課の米倉さんがお喋りをしながら部屋に入って来た。
米倉「今回の事件も鮮やかなお手並みでしたなぁ~」
「全く以って、感服致しますです」
杉山「いやいや、貴方の情報が有ってのことですよ」
「これからもよろしくお願いしますね」
米倉「え~、ところで、例の寄席の件は?」
杉山「あ~、はいはい、こちらですね」
と言って杉山さんは机からチケットらしきものを取り出して、米倉さんに渡した。
彼はそれを受け取ると、にこにこしながら部屋を出て行った。
すると、杉山さんがこちらを向いて言った。
杉山「あら、もう帰っていたんですね」
「帰っていたんですね、じゃないでしょ!」
「一体何です? あのクラブは!」
杉山「銀座の高級クラブですよ」
「あ、いや、そうじゃなくて、あのクラブに俺が・・・」
と言い掛けると
杉山「そういえば鈴木君」
「君はもう、喋っちゃったそうですね」
「私と官房長の名前を」
って、あんた、地獄耳か?
杉山「まあ、それならそれで仕様が有りませんね」
はあああぁ?
これだけ人をこき使って置いて、それだけのことなのかい!!
全く、ふざけてやがる。
俺は頭に来て部屋を出て行こうとすると
杉山「そうそう、クラブ舞台から貴方を招待したいと言って来てますよ」
「まあ、行く行かないは貴方の自由ですけどね」
などと言って、杉山さんはお茶を淹れ始めた。
杉山「貴方も飲みますか?」
と聞かれたので
「結構です!!!」
と言って、俺は部屋からとっとと出た。
何が招待だ。
全くどいつもこいつもふざけてやがる。
俺は本当に頭に来た。
そもそも、こう見えても俺は警〇庁捜査一課の刑事だ。
そして俺にもプロとしての意地がある。
こうなったらあの怪しいクラブの裏を全部暴き立ててやる。
俺は、そう決意した。
その日の夜。
俺は性懲りも無く、あのクラブの前に居る。
俺は身震いがした。
この組織は強大だ。
下手をすると、こちらの命取りとなる。
俺は慎重に内部を探ろうとした。
と、その時。
「いらっしゃいませ、鈴木様」
「お待ち致しておりました」
「さあ、どうぞこちらへ」
と、黒い服に声を掛けられた。
くそ~、全部お見通しかっ。
俺は本当に情けなかった。
つづく
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