女「煩いのぉ」
あきおはハッとした。
巻く手だけは止めないのはさすがか釣り好きのあきお。巻きながら海を見渡す。
女「ふふ、久しぶりじゃの?」
耳元で生暖かい吐息があたりあきおは力が抜け巻く手が止まった。
女「夜は静かにしろと習わんかったか?魚も逃げるぞ?」
相変わらず綺麗な裸を見せ
イタズラな笑顔を見せ語りかけた。
女「学習したようじゃが儂は海だけじゃないぞ?ふふ、ほれはよ魚を上げんか」
あきおは忘れかけた魚を釣り上げる。
女「懲りぬ奴じゃな。またここに来るとわ。」
あきお「えっと……お久しぶりです。騒いですみません……」
女「相変わらずじゃな(笑)とりあえず……」
あきお「……?」
女「儂にもくれぬか?お前さんといえば酒であろう?」
あきお「あ……はい!どうぞ!」
急いで酒をだし開けて渡す。
女「気が利くの。すまんの」
あきお「あの、魚食べます?」
女「えいがさかなをたべる。なんとも可笑しいがせっかくじゃ、いただこうか」
あきおは急いで釣ったばかりの魚を捌き醤油をかけ即席の刺身を差し出した。
釣り場ならではのもてなし。
女「ん、なかなか安らぐの。」
そういいながら寛ぐ女。
あきおはそれが嬉しかった。自分が出したものを口にし楽にしてもらえることがとても心地いいと知ったのだ。
落ち着いたところで女に上着を羽織わせまた釣りを再開した。
あきお「元気そうでよかったです」
女「お前さんもな。しかし何故また来た?この村には近寄らぬが一番であるはずであろう?」
あきお「まぁ、そうなのかもですが釣りには最高なので。村の人達も皆とは言わないけど自分の事を疑うのをやめてくれた人もいるので…それに…… 」
女「ん?」
口ごもるあきお
女はまたイタズラな笑みを浮かべあきおに近寄った。
女「それに……なんじゃ?」
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