その37
手土産は、シャンパンにした。
花束を買うか悩んだが、松葉杖の男が花束を持つ姿を想像して止めた。
タクシーでアパート前に着き、電話をすると、アパートから谷崎さんが出てきて、荷物を持ってくれた。
「今日は鈴谷さんも一緒だから、いっぱい飲みましょう」と言い笑った。
私が今日、鈴谷さんと約束してたの?と聞くと、「この前、恵子ちゃんとの事で相談したじゃないですか。今日がその日ですよ」と言われて、思い出した。
谷崎さんと2人きりで会えると浮かれた私は、すっかり忘れていた。
今日が鈴谷さんを女にする日であり、3Pをする日だったようだ。
私は、ようやく最近の鈴谷さんの不思議な言動の意味が判った。
鈴谷さんに悪い事したなと考えていると、谷崎さんから「まずは美味しい物を食べて飲みましょうよ。ね?」と腕を絡ませ甘えられて、転びそうになった。
部屋に入ると、鈴谷さんが料理の真っ最中で、「木田さん、いらっしゃい!」と居酒屋のように迎えてくれ、綺麗にしていても、いつも通りの鈴谷さんだなと安心した。
私をソファに座らせると谷崎さんは、いきなりキスをしてきて、私は戸惑った。たが、谷崎さんは、御構い無しに舌を絡めながら私の股間を触ってきた。私がそれだけで勃起してしまうと谷崎さんは「ふふふ」と微笑みながら私を見た。
彼女の以前の恋人であり、今は仕事の同僚が目の前に居るのに思ったが、これも鈴谷さんの事を考えてなのかもと思い身を任せた。
とても不思議な感覚であったが興奮していた。 つづく
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