その3
毎朝、病室では鈴屋さんの体育会ノリ挨拶から1日が始まり、時には笑顔でハイタッチして回る挨拶の後、回診があり、その後リバビリを行う毎日であったがリバビリ開始後、1週間が経つと理学療法士が女性に変わった。
谷崎明美さんと言う、アラフォー美人であった。理学療法士は若い方が多かったので、妙齢の女性は珍しいなと思いながらも、やはり男性とリバビリするよりも女性とする方が楽しいものである。
喫煙所には、人生の先輩方の溜まり場となっていて、新参者の私を快く仲間入りさせてくれた。この中に入ると定年間近の私も兄さん呼ばわりされ、学生時代や新入社員時代を思い出し、久しく感じていなかった感覚がなかなか心地良いと感じていた。
また喫煙所横にあるベンチには、いつもボンベを連れて歩く聖子さんと言う老女が居て、特に喋るのが好きな方だった。 つづく
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