その21 「谷崎さんの告白」
聖子さんから、谷崎さんと鈴谷さんが親子かも知れないと聞かされていたが冗談だと思っていた。
谷崎さん自らが話題にするとは、何かあるのかと突然の告白に驚きを隠せず、先程まで谷崎さんの手の中で硬く膨張しきっていた肉棒が急速に萎むのが自分ではっきりと判った。
そんな様も楽しむかのように谷崎さんは微笑みながら、話を続けた。
「年齢的に私と鈴谷さんが親子と云うのは、なかなか難しいものですよ。でも、鈴谷さんと私は無関係ではありません。ずいぶん前から知り合いですし、過去には友達以上の関係でもありました。
私の結婚生活は、元主人が家を出て行った事により30代半ばで破綻して、その頃は専業主婦で子供も居らず、急に一人ぼっちになって、寂しくて寂しくて、毎日ひどく落ち込んでいました。
主人が出て行った原因は今でも判りませんが今、想像すると私は退屈な女だったんだと思います。
忙しく働く主人の為に毎日掃除して料理を作ってセックスして、たまにはデートして外食して、ホテルの部屋でセックスして、ただそんな事の繰り返しでしたが私は幸せでした。
私だけが幸せだったんだと思います。
ある日から、主人は家に帰らなくなりました。
最初は、仕事が忙しくて、翌日の朝早くから会議があるから、会社近くのホテルに泊まる感じでしたが、だんだんとホテルに泊まる事が増え、いつしか週末にしか家に帰って来なくなりました。
私は、忙しい主人が身体を壊さないか心配でしたが、何も出来ず、ただ家で待つだけじゃなくて行動しようと考え、あるサプライズを思い付きました。
主人の会社近くのシティホテルで夫婦でエステを施術してもらえる宿泊プランを予約し、エステでゆっくりして美味しい物を食べて、二人でゆっくり過ごしたいと考えたんです。
残業している主人を驚かせようと会社近くのシティホテルにチェックインしてから、いつもは主人とメールで連絡を取り合ってましたが、私は喜んでくれる主人の声を聞きたくて電話すると、ひどく怪訝そうな主人が電話に出ました。 つづく
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