その14
申し訳ないが鈴谷さんに全く興味が無かった。しかし、判ったから泣かないでと言い、またゆっくり病院の外で話をする約束をして、入浴を終えた。
翌日の朝、病院には、いつも通りの鈴谷さんが現れたが明らかに化粧が濃くなっていた。
その日、回診後に外出するため、ソワソワしていると廊下で聖子さんに捕まり、「兄さん、何したの?鈴谷ちゃんがおかしくなってない?」と笑いながら言ってきた。
私が色々話をしただけだよと言うと、聖子さんは「ふ~ん、でも気をつけた方がいいよ。鈴谷ちゃんは谷崎さんの娘だって噂だから」
私は、全く予期せぬ言葉を聞き、これでもかと目を丸く見開いた顔で聖子さんを見てしまうと、聖子さんは「うそうそ。やっぱり鈴谷ちゃんと何かあったんだね~」と言いながら、ニヤニヤして去って行った。 つづく
※元投稿はこちら >>