その10
「あんた、鈴谷ちゃんとデキてるのかい?」と聖子さんが聞き、私がえ!?っと驚くと、「そんな訳ないか」と言って、違う話題になった。
私は、聖子さんが1人になるまで休憩所に留まり、さっきの話の意味を聞くと、聖子さんが「鈴谷ちゃんは、ほぼ女性の入浴介助しかやらないからさ。兄さんの入浴してくれるんだろ?」と言った。
私が無理に入浴を頼んで鈴谷さんに悪い事したなと考えていると、聖子さんは「兄さん、アッチはまだまだ元気だろ?しばらく楽しんでおいでよ」と笑いながら、聖子さんが去っていった。
私は、谷崎さんとの事がばれてるなと思ったが上手くいけば、爺さん達に自慢してやろうと気にしなかった。
谷崎さんとは、毎日リバビリしながらデートプランを話す中で待ち合わせは、タクシーで谷崎さんの家まで迎えに行く事になった。家まで行くなら、帰りは家の中に上げてもらえるだろうかと考え、私は胸の高鳴りを覚えた。 つづく
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