まだ薄暗い早朝だったためはっきりとしなかった彼女の下着は、少し黄色かったのを覚えています。
私の中に生まれた悪はまだ小さかったためその日は手を出すことはありませんでした。
それから数日間配達のたびにドキドキしながら彼女の家に配達をしましたが、洗濯物は見ることはありませんでした。
しかし校内で彼女を見る目が変わってしまいました。ニコニコしながら友達としゃべる彼女、男子に向かって大声をあげる彼女、傘も差さずに走って下校する彼女、どの彼女を見てもあの時の下着を思い出していました。
その頃から、私は雨を望むようになりました。配達には、最悪の条件ですが。
もう一度見たい、そんな強い衝動を食らうかのように私の中の悪はどんどん大きくなりました。
そんなある日、神様が望みを叶えてくれたのか、それとも悪魔の罠か夕方から小雨模様になりました。
その雨を見て私は、決心しました。明日もし下着が干してあったら、盗もう。
干してあることを期待し、無いことも同時に願うモヤモヤした気分でなかなか眠れませんでした。
朝いつもの時間に目を覚ました私は、カーテンを開けた時、雨が止んでいてホッとしたのを覚えています。
悪魔の罠
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