ベンチで見ていた勝宏が「出たっエグいレイアップ」と言った。「あのレイアップ…ホントエグいわぁ」と沼田も言った。H高のメンバーは知っていた。晃のレイアップはノーマークで打つ時は、なんの変哲もない普通のレイアップだが、マークされてる時に打つのは違う。ボール一つ分遠い所にあるのだ。普通のレイアップなら、誰でも簡単にブロック出来る。だがエグいレイアップだと普通にブロックに行くと、ボールが遠い為どうしても当たらない。無理して腕を伸ばすと体が流れ、必ず腕を叩くか体がぶつかりFになってしまう。しかも晃は手首が強く、その強さを生かして手首だけで打ってくる。メンバーはそれを「エグいレイアップ」と命名した。長野と古河がFの餌食になったのは、まさにそのエグいレイアップだった。晃は無意識の内にそのレイアップを身に付けていて、中学の時、遊びで勝宏と川口とやってた時に「晃君のレイアップって、普通の人と違うからブロック出来ない」と言われ、そこで初めて知った。
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