菜緒を両親に紹介したら、
「もう少し、常識ある言葉遣いできないの?身なりだって派手だし、もっと清楚にならないの?水商売の女みたいじゃないの。」
お袋の歯に衣着せぬ言葉に、菜緒は落ち込んでしまいました。
「どこの大学出てるの?え?専門学校?うちの子は大卒よ。生まれてくる子供がバカじゃ困るのよ。」
俯いて涙を浮かべた菜緒を見て、もう終わったと思いました。
「アーさん、いいお家の出だったんだね。私なんかじゃ釣り合わないよ。2年も付き合ってくれてありがとうね。」
「菜緒、待てよ。誰が別れるって言ったよ。お袋の事なんか気にするな。」
「私、これでも大人しいファッションにしたつもりなんだけど・・・」
確かに、元のケバい菜緒から比べたら格段に大人しくなってはいたが、なるほど初めて見たら派手かも知れませんでした。
「アーさん、お願いがあるの・・・」
「何だい?」
「最後に、思い出に旅行に連れて行ってほしいの・・・」
「何だよ最後にって・・・」
「もう無理よ。アーさんにはもっと相応しいお嬢さんがいると思う・・・」
菜緒を連れてディズニーランドへ行きました。
パレードを見た後、臨海のホテルへ泊まりました。
豪華なディナーに緊張した菜緒がとても可愛くて、別れたくありませんでした。
「あのね、私、アーさんのお母様の言うこと、無理もないなと思うの。だって私、育ち悪いもの・・・アーさんのお嫁さんになったとしても、私、辛い思いすると思うし・・・」
ハッと思いました。
もし私と菜緒が結婚したら、きっと、お袋は菜緒をイビるし、菜緒はそれは耐えられそうにない、つまり、菜緒はお袋とはウマが合わないから結婚は無理と判断したのでしょう。
でも、それをハッキリと言わない菜緒の優しさを感じました。
つまり菜緒は、私との結婚を断っていたのです。
フラれたのは私の方でした。
東京湾を臨むホテルで、東京湾の灯りを見ながら最後のセックスをしました。
菜緒のスレンダーな体も見納め、菜緒の私しか知らないヴァギナも見納め、最後のクンニと最後のフェラ、そして最後の交わりは夜景を背景にホテルのガラス窓に映っていました。
「精液、アーさんの精液、飲んでみたい・・・」
菜緒の口にペニスを当てて、射精しました。
「んぐっ・・・・んんん・・・ごくっ・・・・へえ・・・精液ってこんな味なんだ・・・」
最後の夜を二人で過ごしました。
翌朝、バイキングで食事して、ホテルを出ました。
「アーさん、私なんかと付き合ってくれてありがとう。アーさんに出会えてよかったと思ってる。哀しいけど、ここでお別れしたい。アーさん、先に電車に乗って。私、見送るから・・・」
一目も気にせず泣いていました。
改札を抜けて、振り返ると菜緒が手を振っていました。
私も手を振ってエレベーターに乗りました。
手を振る菜緒が見えなくなりました・・・・
結局私は、母のお眼鏡にかなうお嬢様とお見合いさせられ、一昨年に結婚しました。
私28歳、箱入り娘のお嬢様は23歳、深窓の美少女という感じの綺麗な清純派の生娘でした。
お淑やかで従順、セックスは恥じらいに溢れ、菜緒のように楽しんではくれませんでした。
そして昨年、私は29歳で父親になりました。
産まれたのは女の子、初めて我が子を抱いて、妻を見舞って帰り際、ロビーで・・・
「アーさん・・・」
「菜緒・・・」
3年ぶりの再会でした。
菜緒の左薬指にはシルバーのリング、そして、
「へへ・・・デキ婚しちゃった・・・赤ちゃん、5ヶ月なんだ。」
「ふふ・・・デキ婚なんて、菜緒らしいや・・・」
「アーさんの奥さんも出産?」
「ああ、産まれたばっかり。女の子・・・」
「そう。おめでとう。」
「ありがとう。菜緒も、元気な赤ちゃん産めよ・・・」
「うん!」
菜緒の幸せそうな笑顔を見て、心がホッコリしたけれど、今でも愛しさが残る可愛い菜緒のヴァギナに中出しした男に嫉妬していました。
そして、たった3年前の別れが、遠い昔のような気がしていました。
今、娘は5か月になりました。
ということは、菜緒もお母さんいなっていると思います。
娘を抱っこしながら、菜緒の幸せを祈った今年のお正月でした。
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