《48》
1週間後、検査結果を聞きに産婦人科に行った。
俺の精子は少ないが、ギリギリ許容範囲だった。
美穂は少々問題が発見された。
子宮に繋がる卵管が片方だけ閉塞していた。
排卵は子宮の片方を使い生理の度に交互に行われるらしい。
世に言う危険日の片方は安全日だった。
片側が卵管閉塞だと反対側の卵管にも癒着や狭窄が起こる事があり、治療が必要だと言われた。
場合によっては手術もあり得る。
ただし、妊娠しにくいと言うだけで出来ない訳じゃ無かった。
不妊治療はここで辞めることにした。
この医者は信用出来ない事もあり、これ以上美穂に傷付いて欲しくなかった。
『もう辞めよう。出来ない訳じゃ無いって事が分かっただけで良いよ。』
「でも、アナタとの子供が欲しいよ」
『大丈夫、きっと出来るから。』
「うん・・・」
『歌にもあるでしょ?』
「そんなのあった?」
『探すのをやめた時、見つかることをも良くある話でって』
「ちょっと違う?w」
『まぁそうだけどさ、求めると手に入らないけど、諦めると手に入るって事でしょ?』
「そうね。そうだよね。」
『そうだよ。諦めた訳じゃ無いけど、考えすぎは良く無いよ。』
「うん」
『大丈夫。今まで以上にいっぱいスるからw』
「エッチw」
『知ってる癖にw』
「ああぁん」
1年後
美穂は妊娠した。
俺の両親も喜んでくれた。
オフクロと美穂が仲良しだ。
日中は俺のアパートに入り浸ってる。
俺より長い時間一緒いるんじゃないか?w
産婦人科を変えて、市内の総合病院で診察を受けている。
悪阻の時期はキツそうだった。
匂いを嗅ぐだけで吐いていた。
安定期に入り、やっと普通に食事が取れるようになると、スゲー食ったw
2人分らしいw
オフクロが一緒に行ってくれるので、仕事もあるから俺はあんまり病院へ行くことは無かったが、妊娠6カ月って週1で診察に行くものなのか?
もうすぐ出産となる頃
しばらくエッチ出来ないからシようよ。と誘われた。
妊娠中も数は減ったがそれなりにヤってたが、妊娠10カ月になるとシてなかった。
『なに?シたくなった?w』
「うんw」
『じゃぁ、ヤるかw』
抱きつきいつも以上に乱れて燃えた。
子供を子宮の中で精子まみれにしたく無かったので、いつも外に出してたが
「このまま膣内に出して」と言われ、両脚を絡めて離さなかった。
なので、そのまま膣内に出した。
1週間後、入院となった。
オフクロが付き添ったので俺は仕事に行っていた。
仕事中に電話が鳴った。
オフクロからだった。
「生まれそうだから、すぐに来なさい。」
『わかった。すぐ行く』
なんで、そんなに切羽詰まってるんだ?
病院に1時間程で着いた。
看護婦がいた。
『子供は生まれましたか?』
「・・・はい。赤ちゃんは元気な女の子ですよ・・・」
『そうですか!』
「それで、奥様なんですが・・・」
『え?』
『なんでだ!』
『何で美穂が死ぬんだよ!』
俺30歳
美穂
享年24歳
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