《14》
大阪に帰ってからはごく普通に生活していた。
夏にはみんなで海水浴にも行った。
海の中で水着の脇から突っ込んだが、水の抵抗に浮力が加わり、身体を固定出来ないから動き難く気持ち良く無い。
3人とも当時流行り始めたハイレグだったので目の保養はバッチリ出来た。
夏祭りに愛美と2人で出掛けた。
浴衣の愛美を見て興奮した。
当時は当たり前の様にNPNBだった。
流石に祭り会場じゃ出来なかったので、ホテルに行った。
普通に始めたが、浴衣姿に興奮し過ぎていた俺は生でどうしてもしたくなった。
今までも何度か有ったがレイプごっこをやった。
その時、嫌がる愛美に生で入れた。
演技か本気かわからないと言う事にしてヤってしまった。
もちろん外に出したが、終わった後、愛美が泣いてた。
慌てて謝ったが愛美が泣く止むまでしばらく掛かった。
この時、次の約束をせずに別れてから音信不通になった。
そろそろ年末が近付いた頃、真琴ちゃんから連絡があり会社が終わった後に会うことになった。
「愛美のことなんだけど」
『うん』
「何やったの?俺君を信じてたのに裏切られたって今も泣いてるよ!」
『うん・・・分かってるけど、すぐに謝ったし、改めて謝りたいけど連絡取れないし。』
「もう会えないし話も出来ないって。何やったの?」
『聴いてない?・・・ぶっちゃけちゃうと無理矢理生でヤった。』
「はぁ?バカなの?怒るに決まってるじゃん」
『そりゃそーなんだけどさ。知ってると思うけど、愛美ってちゃんと彼氏居るんでしょ?お互い様じゃね?』
「ありえない!知らなかったの?とっくに別れてるよ!」
『え?マジ?』
「俺君と初めて会ってスグに別れてるよ。その日にヤっちゃったんでしょ?ノロケられたよ。俺君の事は本気だから大事に育ててくって言ってたよ?」
『聴いてなかった。』
「気付けよ!俺君の望みは出来る限り応えたいって言ってたのに、なんで気が付かないかなぁ?」
『会って謝りたいんだけど、俺から連絡取れないし、真琴ちゃんから連絡して会わせてくれない?』
「言っては見るけど、どうだろう?チョット時間が掛かるかも。」
『頼むよ、待ってるから』
「分かった。やってみる。」
なんだろ?
頭がモヤモヤして胸が痛い。
初めての感覚に戸惑った。
丁度その頃、俺は上司の不正を見つけてしまう。
正義感からじゃ無かったが、見つけた事をツトムさんに相談したのがきっかけで話が大きくなった。
詳細はハショるけど、結果的に上司をクビにして、社会的信頼の為に口止め料の結構な額を受け取った。
他の社員から敬遠され居づらくなったので退社を決意した。
愛美にも会え無いし大阪に未練は無かった。
と、言うから逃げ出したかった。
年内に退社する事を新人研修の時のメンバーに伝えた。
会社から提示された退職金は3年居なかった社員には破格の金額を提示された。
(絶対喋るなよ?)という事だろう。
寮を出る時に真琴ちゃんから連絡があり少しだけ話ができた。
「今回の事も愛美に伝えたけど、会えないって」
『うん。色々ありがとう。迷惑かけてごめんね』
「でもね。愛美は本気だったんだよ。」
『うん分かってる。ありがとう。』
大きな荷物は送って有ったので手荷物だけ持って新幹線に乗った。
なんか涙が出て来た。
なんでかわからない。
乗ってる間、ずーっと考えた。
失恋ってヤツ?
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