晃がH高に決めた理由はもう一つある。バスケ部のユニフォームだった。色は青で違うがNBAのシカゴブルズの黄金期と同じデザインだった。晃はブルズが好きでバスケを始めた。昔のビデオを見てジョーダンは勿論、ピペンやロドマンと言う名選手のプレーに憧れた。その中でも第二期黄金時代のブルズの6マンであった、T・クーコッチに憧れた。この選手はクロアチア代表で、ブルズではC以外の全てのポジションが出来る選手だった。晃の中でクーコッチは師匠であった。彼のプレーをテープが擦り切れるほど見て真似た。それが今、晃のプレーに原形なっている。晃は右利きだが、クーコッチは左利きだった。部活終了後いつも左の練習をした。顧問に「何で左の練習をしてるんだ?」と聞かれた事があった。晃は「左右同じ様に打てたら、ブロックしにくいし相手も迷うから」と答え、顧問を唸らせた。その練習を続けた結果〇中のエースになった。晃は特別足が速いワケでも、ジャンプ力があるワケでもなかった。
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