晃が笑ったワケは、フロントコートの真田、徹、高梨を効果的に使い、S大はそのケアにゾーンを使ったからだ。普通ならすぐに外からの攻撃にシフトするが、晃はすぐには誠を使わず、S大のカバーがどれほどの物か知りたくて、あえてインサイド攻撃を選んだ。S大のカバーリングは速かった。(流石S大…速いな)と思った。晃はここでようやく誠を使った。誠は一本目、二本目を連続で決めてくれた。そこで第1Qが終わった。H高は18-14とリードした。第2Q、S大は誠にマンマークを付け、ボックスワンを使った。晃は想定内とばかりに、高梨と徹にスクリーンを掛ける様にと指示を出した。S大はゾーンを崩され後手に回った。インサイドの局地戦でもS大を崩し始めた。高梨は結城が格上と見るや、自分が囮になり周りに、パスを捌き出したからだ。晃は試合中にも係わらず(これなら全国でも勝てる)と思っていた。そう思うほど各々が上手く機能していた。だが簡単にはいかなかった。里見が遂に動いたからだった。
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