「ただいま」と玄関を開けると夕香が出てきて「お帰り…あれ?夕貴と一緒じゃないの?」と聞かれ「えっ!?帰って来てないの?」と言うと「まだよ」と言った。晃は焦った。「夕貴と何かあったの?」と聞かれ「うん…ちょっと…」と言って「捜してくる」と言い自転車に乗り、また病院の方に行った。ペダルを漕ぐと膝が悲鳴をあげたが、晃はその痛みを我慢して自転車を走らせた。日が落ち辺りが暗くなってきた。病院の近くの小さな公園まで来た。その公園のベンチに夕貴は座っていた。「夕貴っ」と声を掛けると俯いていた夕貴は、顔を上げ晃を見た。晃は自転車を乗り捨て夕貴に近づいた。晃は開口一番「夕貴ゴメン…」と謝った。すると夕貴も「アキ兄…ゴメンなさい…」と言った。晃は夕貴を抱きしめ「夕貴は何も悪くないよっ…」と言った。それでも夕貴は「ゴメンなさい」と言った。晃は力強く夕貴を抱きしめた。晃達はベンチに黙って座った。暫くして夕貴は泣き止んだ。「落ち着いた?」と聞くと夕貴は頷いた。「キツく当たってゴメンな夕貴…」と言うと夕貴は首を振った。
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