「ねえ、ちょっと一緒に現場に行ってみない、麻衣さんが産休に入って、次のリーダーになった娘、がんばってるから」美雪さんが言った。
「了解です」麻衣さんが産休に入る前に二人の女性に仕事を引き継いでいると言っていた。だが俺はその女性のことはあまりよく知らなかった
「美雪さん」作業場の入り口で一人の女性が声をかけてきた
「あっ、麻衣さんの旦那さん」するともう一人の女性が俺に気づきその女性が言った
「課長、麻衣さんの仕事を引き継いでくれている、美香ちゃんと香澄ちゃん」麻衣さんが紹介してくれた
「どうも、麻衣さんからいつものろけ話きかされてました」美香ちゃんが軽く会釈をした。大きな眼鏡が特徴的だ。1年前の俺だったら、どストライクの萌えっこタイプだ
「ノンくんでしょ、麻衣さんにいつも甘えてる」クールな視線を送る香澄ちゃんはツンデレタイプと見た
「もう、香澄ちゃん、相変わらずね、課長、二人は双子なのよ」
「えっ?そうだったの」確かに、よく見るとそっくりだ、眼鏡をかけているかいないかの違いで判別するしかないかもしれない。
「へへ、目印に美香がダテ眼鏡かけてるの」笑顔に思わずほんわかしてしまう俺
「麻衣さんの提案だんだよね」クールに香澄ちゃんが付け足す
「二人とも入社5年目だったよね」
「そうです、でも町田課長あたしたちのことあまり興味もってくれてないみたい」美香ちゃんが目をうるうるさせている。その表情にぐっと引き寄せられる俺
「ねえ、ノンくん、あたしたち、まりんと同級生なんだよ」香澄ちゃんが意味深でクールな視線を投げた
「あっ、そうなんだ」俺は冷や汗をかいていた
「こら、香澄ちゃん、それは後でお茶してから」
「はい、すいません」美雪さんにはおとなしく従う香澄ちゃん
「と、言うわけで、今日仕事が終わったら4人でお茶しましょう、それじゃ二人とも頑張って」美雪さんの声に二人は従い、ラインの指導に戻った
「もう、ノンったら、可愛いこんなの子にはタジタジね」事務所に戻りながら美雪さんが微笑んだ
「美雪さんは現場の子たちのことも把握してるなんてすごいですね」
「ええ、もとパートですから」この女性さすがだと思った。
「ノン、惚れ直したって顔してる」
「図星だ」
「ふふ、素直なところ、ほんと可愛いわね、パパ」美雪さんはお腹のあたりをなでて話しかけていた
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