シャワーを浴びてレストランに行くとすでに女性陣は食事をしながら談笑していた。
「ノン、ここ」由実さんが手招きする
「バイキングだから好きなもの取ってくれば」麻衣さんはオレンジジュースの飲んでいる
「わたし一緒に行く」みゆうさんが立ち上がった
「みゆうは食べ盛りだかね」みなみ先生微笑んだ
みゆうさんが俺の隣に寄り添い、一緒に料理をとって行く
「ノンちゃん先生のこと聞いてる」
「うん、お兄ちゃん目の色を変えて行ったわよ」
「どうして?」俺は皿にスクランブルエッグを取りながら聞いた。みゆうさんはフルーツとシリアルを取っている。
「お兄ちゃんは正式には総合病院に所属しているから、金銭的な問題で治療を受けられない患者さんをほおっておけないたちなのよ」
「偉いな~」俺は感心して手元に気を使っていなかった
「ベーコン取り過ぎ~」みゆうさんが笑った
「ああ~」
「わたしがいっしょに食べてあげる」みゆうさんの笑顔が可愛かった
席に戻ると麻衣さんがスマホで検索をしていた
「ここ、満開みたい」
「え~、三月なのに」みゆう先生が覗き込んでいる。心なしか二人の距離が近い気がする。
「河津桜かあ~、少し色がピンクが強い感じね」由実さんも興味深々だ
「ねえ、ノン、何そのベーコンの量」麻衣さんが驚いている
「いや、ちょっと手元が狂って」俺は笑ってごまかした
「ふふ、みんなで食べてあげよ」みゆうさんがフォローしてくれる
「そうね、ここ、連れてって」みなみ先生が爽やかな笑顔で言った
「どこ?」
「ここから20キロくらいの小高い丘で河津桜が満開みたい」由実さんはスマホを俺に手渡した
「ノンくん、女性は花が好きなのよ」みゆうさんが俺に頬を近づけてスマホを覗き込んだ
「みゆう、近い!」みなみ先生が睨んだ
「は~い」みゆうさんはおどけて顔を離し、俺のさらからベーコンをつまんだ
「チェックアウトしたら行ってみよか」
「やった~」皆の笑顔が嬉しかった
「でもね、ノンくん、満開の桜は女性の気分を高揚させる効果があるから、無事に帰れるかな~」みゆうさんが楽しそうに言った。その言葉に皆の目が光った…、ような気がした
※元投稿はこちら >>