「ノンくんごめんなさいね、お食事中に」美保さんの声は気品が溢れていた。
「いえ、俺はほぼ食べ終わってたんでかまいませんよ」
「そう、わたしも参加したかったのだけれど、産婦人科のドクターがいなくなっちゃうから、今回は遠慮したの」
「そうですよね、患者さんもあることですし」
「また会いたいの、いつ会えるのかしら」
「また水曜にでもおじゃましますよ」
「よかった~」美保さんが喜んでいるのが伝わってきた
「ノンくん、里帆です、まってま~す」里帆さんが脇から割り込んできた
「もう、里帆、わたしが話してるんだから」咎めるような声がして、二人の掛け合いが始まったようだ
「それじゃ、そろそろ戻りますので」俺が言うと
「ノンくん、今日お姫様たち全員家に集まってるから写真送ります」里帆さんの声がした
「ええ、皆の顔見たいですね」
「それじゃ」里帆さんが美保さんに代わった
「ノンくん、それから、みゆうは末っ子でわがままに育ててしまってるから、気を悪くしないでね」
「そんあことありませんよ。とても素敵な女性ですよ」
「もう愛し合ったの?」
「ええ、ととも素敵でしたよ」
「そう、妬けるわね。お姫様たちが眠ったらわたしも里帆と愛し合おうかしら」
「俺も妬いちゃいますよ」
「ふふ、迷惑でなかったら写真送るわね」
「ええ、待ってます」
俺は通話を切って席に戻った。テーブルにはデザートが運ばれてきていた。
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