遅刻寸前で会社にすべり込んだ。朝から忙しく、10時の休憩時間にやっと一息ついて休憩室に向かった。そこで先に来ていた村松さんと目が合った。彼女が微笑み、俺も微笑んだ。昨日までは会社で最も怖いおばさんだったのに、今日は世界で一番愛しい人になっていた。
「由実姉さん、オタクに何か弱みでも握られてんすか?」ナンバー2の中嶋さんの声が聞こえた。
「何勘違いしてんだよ中嶋、あたしだってね微笑むことぐらいあんだよ」村松さんのいつものドスのきいた声が聞こえた
「すいません」中嶋さんが軽く頭を下げ、次に俺を睨んだ。俺は素知らぬ顔で席に戻った
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