「ノン、起きて」
「おはよう、麻衣」
「残念でした、おっぱいキスは無し」
「どうして~」
「だってノンすぐ欲情しちゃうでしょ」
「まあそうですけど」
「早く顔洗ってきて、今日はデートしよ」
「うん」デートか~いい響きだ
「ノン、顔がにやけてる」
まずはファミレスで朝食バイキング、半年に一回くらいひとりで来ていたが、二人だと楽しい~
次は公園をウォーキング、麻衣さんはけっこう体力がある。一周1キロのコースを一周しただけでもうへとへと、二週目は麻衣さんに手を引っ張ってもらう始末
「あたしね、このコース休みの日はひとりで5週してたの。こうしてノンと二人だと楽しい」麻衣さんの横顔から清々しさが伝わってくる。それに比べ俺は一向に呼吸の乱れが戻らない
「あれ、町田」犬を連れたおっさんに声をかけられた
「あれ、中嶋さんも」おっさんは課長だった
「課長こんにちは」麻衣さんは楽しげに声をかけた
「町田、休みの日も鍛えられてんだ~」課長が楽しそうに俺を見た。俺は呼吸を整えるのに精一杯で返事が出来なかった
「違いますよ、デートしてるの邪魔しないでください」麻衣さんが楽しそうに言った
「こりゃま~、失礼しました。また明日」課長はかなり古いギャグを飛ばしながら軽やかに犬と走って行った
「全然信じて無いみたいね」麻衣さんは微笑みながら俺の頬にキスをした
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